東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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ぶんのすけ文集

【夢魔の書】The yellow bullets

2006.2.27

私は何とかそのパーティ会場に潜入することに成功した。

ホテルの大ホール前のホワイエには、すでに数百人近い招待客が満ち溢れ、パーティの開始を待っている。

ご婦人方の色とりどりの衣装や、会場の飾りつけが目にしみる。

はしゃぎまわる周囲の人々とは裏腹に、私の心は研ぎ澄まされていた。

私がこのパーティに紛れ込んだ理由。
それは、主催者の暗殺であるからだ。

もちろん銃器の類の持ち込みは許可されないので、どこかの段階で警備員から奪い取る必要がある。

顔には愛想笑いを浮かべつつ、周囲を見渡し、油断していそうな警備員を品定めする。

すっかり浮かれて他の警備員と軽口を叩き合っている奴を見つけると、じきに会場の扉が開き、華やかな音楽とともに招待客は一斉になだれ込んでいった。

私は、押されてよろめいた風を装いながら、扉を押さえている警備員に背後からぶつかると、素早く拳銃を抜き取った。

上首尾である。

警備員が拳銃がなくなったことに気づく前に仕事を終えなければならない。

標的であるパーティの主催者が、万雷の拍手に包まれて登壇する。

手元で拳銃を確認する。

あまり見たことのない種類のものだ。

リボルバー式であるので、弾倉を手で回して、弾丸が装填されているかどうか確認する。

確かに弾丸はフル装填されているのだが、全て黄色いワックスのようなもので覆われている。

こんなものは見たことがない。

安全装置なのか?

ひょっとして模擬弾なのか?

このまま発射できるのだろうか?・・・

チッ、しまった。準備不足だった。

そろそろ拍手も鳴り止み、主催者の挨拶が始まりそうだ。

そうなると、警備員や客の注意が主催者から逸れてきて、挙動不審が発覚する恐れがある。

最早、一刻の猶予もない。

強行するか?このまま。

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