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東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【風姿花伝】秘すれば花 ~隠しごとの魅力について

2011.10.17



演芸に限らず、武術でも恋愛でも「秘密を持つ」という行為はとても大事なことです。

武術において相手に知られていない技を持っていることは有利ですし、恋愛においても相手の知られざる一面に強く魅かれたりします。

つまり「秘密」を持つという行為もまた、人の心に「ときめき」を与える「花」なのです。

どんなものでも隠せば「花」になりますし、逆に隠さなければ「花」にはなりません。

隠しているもの自体は、あまりたいしたモノではないのが常なのですが。(笑)

だからといって、「そんなもの、別にたいしたことないじゃん!」などと言う人は、何もわかっちゃいないのです。

どれほど「珍しいものこそが「花」なのだ!」などと意気込んでみたところで、「さぁ、珍しいものを見てやるぞ!」と意気込んで集まったお客さんの前では、それほどウケやしないものです。

観客に「へぇーっ、予想したよりずっと面白いねぇ!!」と思わせつつ、そこに「花」があることに気づかせない。

それこそが主役を張るものが持つべき「花」なのです。

「意表を突く」ための作戦、それがこの「花」の特質です。

例えば試合において、明らかに能力において勝っている側が試合で敗れることがあります。

これは相手の意表を突く作戦に引っかかって負けてしまったわけなのですが、いわゆる勝負事においては全てこのようなことがあります。

あらかじめ知っていれば絶対にくわないような手であっても、その時はそんな作戦があるということを知らないから負けてしまうというわけです。

というわけで、我らもこの芸においてひとつの「秘密」を残すこととします。

今、この「秘伝書」を読んでいるアナタにひとつ、念を押しておかなければなりません。

「秘密にする」というのは相手に対してそれを「隠している」というだけではダメで、「秘密を隠している」ということすらも知られないようにしなければいけません。

だって、「コイツ何かを隠してやがる」となれば、誰だって皆用心してしまってやりにくくなるじゃないですか。

相手に用心させない・油断させることもまた、人の心に「ときめき」を与え続けるために必要なテクニックなのです。

敢えて他人に伝えずにおくことを通じて、死ぬまで輝きを失わない「花」を保つ。

大事なことなのでもう一度言いましょう。

どんなものでも隠せば「花」になりますが、隠さなければ「花」にはなならないのです。

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