東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【碧巌録】

第76話(抄) 天然禅師、覚醒!

2006.9.5

天然禅師は字を丹霞といいます。
出身地は不明です。

彼は元々、国家試験(科挙)合格を目指して儒教を勉強していました。

受験の為に長安までやってきて、宿屋に前泊した時のことです。

深夜、突然部屋が真っ白な光に包まれる夢を見て飛び起きてしまいました。

同じ宿に泊まっていた占い師にその話をしたところ、「ああ、それは「空(くう)」の悟りを暗示しているのではないか」と言われました。

同じくその宿に泊まっていた禅僧が、たまたまその話を耳にして、話しかけてきました。
「お前さん、これからどうするつもりだい?」

「官僚になるつもりです。」

禅僧は言いました。
「官僚なんかより、仏になりなよ。」

「仏になる!?いったい何処へ行ったらなれるんです?」

禅僧は言いました。
「江西に馬祖和尚という立派な大師がいるから、そこに行くといいよ。」

急遽受験をとりやめて、真っ直ぐ江西に向かうと、馬祖和尚を見つけるやいなや、両手を捧げて教えを乞いました。

馬祖和尚は彼をチラっと見ると言いました。
「俺はあんたの師匠じゃない。南嶽の石頭和尚のところへ行きなさい。」

速攻で石頭和尚のところに行くと、同じように教えを乞いました。

石頭和尚は言いました。
「馬小屋の当番でもしていろ!」

彼は素直にそれに従い、以後、得度することなく3年間下働きに励みました。

ある日、石頭和尚は下働き連中を集めて言いました。
「いいかお前ら!明日は仏殿の前の草むしりをするからな。」

さて次の日、下働き連中は手に手に鍬やら鋤やら草むしり用具を持って集まりましたが、ただ一人、丹霞だけが水を入れた盆を持ってきて頭をすすぐと、石頭和尚の前に跪きました。

石頭和尚はカラカラと笑うと、丹霞の髪を剃り、得度させてやりました。

石頭和尚が引き続き説教を始めると、丹霞は耳をふさいで飛び出していってしまいました。

丹霞はそのまま江西の馬祖和尚の寺に向かうと、挨拶もせずに僧堂に飛び込んで、真ん中に安置してあった仏像にまたがりました。

突然の出来事に、一時騒然となるお寺。

騒ぎを聞きつけて馬祖和尚が僧堂をのぞいてみると、いつぞやの若者が仏像にまたがっているのが見えました。

馬祖和尚はすかさず言いました。
「おお、こやつはまさに「天然」じゃ!!」

丹霞はそれを聞くと、仏像から降りてきて言いました。
「師匠!私にいい名前を付けてくれて有難うございます!!」

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