東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
※超訳文庫は好雪文庫に名称変更しました。【タイトル変更のお知らせ】

updated 2023-01-25

  • HOME
  • >
  • 梁恵王章句上7 孟子、いきなりブチかます!

別訳【孟子】

梁恵王章句上7 孟子、いきなりブチかます!

2007.8.2

孟子が梁という国の惠王を訪問した時の会話です。
 
惠王:「やぁ、遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました!
で、今日は我が国にとってどんな利益のあるお話をして下さるのでしょうか?」
 
孟子:「利益?!・・・王様、何を言いだすんですか。
利益なんて考えているようでは、まるでダメです。
世の中「利益」より「仁義」です。
ただもう、「仁義」あるのみです!!
 
王様が「我が国の利益を重視する」と言い、
家来は「我が家の利益を重視する」と言い、
大衆は「オレ様の利益を重視する」と言う。
 
さぁ大変だ。
上から下まで「利益、利益」!
そんな国が長続きするハズがないでしょう!!」
 
惠王:「まぁ、そう言わないで下さいよ・・・
私も私なりに国のために良かれと思って努力しているんですから。
 
最近の私の悩みは、国民の人口が隣の国よりも少ないことです。
 
どうして私のところは少ないんでしょうね?」
 
孟子:「戦争が大好きな王様にもわかりやすいように説明しますね。
 
例えば戦闘の火ぶたが切って落とされたとします。
 
一部の兵士たちが、その剣幕にビビり、クルリと背を向けて、武器を放り出し、鎧を脱ぎ捨てて一目散に逃げ始めました。
 
ある者は50歩逃げたところで止まりましたが、見ると100歩逃げて止まったヤツがいます。
 
で、50歩のヤツが100歩のヤツを指さして笑うわけです。
「なんだい、あの臆病者!」と。
 
王様、これは「アリ」ですか?」
 
惠王:「・・・いや、それは「ナシ」ですね。
だって、どっちも逃げたことに変わりはないんだから。」
 
孟子:「王様、それがわかっているのだったら、そんなことで悩むのはやめにしましょう。
 
百姓たちを農繁期に徴集すれば穀物が取れなくなりますし、池や川に入ることを禁じれば魚は取れなくなります。
 
それを知っているのに「なんで人口が増えないのかな?」などと言うのは、餓死した人を見て「ああ、あれは寿命で死んだんだよ」と言ったり、ナイフで人を刺し殺しておいて「ああ、やったのはオレじゃない。このナイフがやったんだ」というのとおんなじです。
 
惠王:「・・・じゃあ、どうしろと言うんですか?」
 
孟子:「王様、人を棒で殴って殺すのと、刀で切り殺すのと、何か違いがあると思われますか?」
 
惠王:「・・・いや、どっちも殺すんだから、おんなじですよ。」
 
孟子:「では、刀で切り殺すのと、政策の失敗で人が死ぬのとではいかがでしょう?」
 
惠王:「・・・おんなじです。」
 
孟子:「城の中では丸々と肥えたウマがたくさん飼われているというのに、城の外ではたくさんの人たちが餓死しています。
 
これは民衆をウマのエサにしているのと全く同じです。
 
いったい何をしているのですか、アンタは!!」

  • 以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
  • 画面左上の「好雪文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 好雪文庫トップページへ戻る
  • メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る
それでは、どうぞごゆっくり
↓   ↓   ↓

昔の中国の人が考えたこと

諸子百家

LinkIcon おもしろ論語(孔子)
LinkIcon 老子
LinkIcon 荘子
LinkIcon 列子
LinkIcon 孟子

四書五経

LinkIcon 【大学】

日本が誇る大学者のご意見たち。
今のところ、明治維新期に活躍した人がメインです。

LinkIcon 井上円了
LinkIcon 【西国立志編】
LinkIcon 富永仲基
LinkIcon 内藤湖南
LinkIcon 【風姿花伝】

キリストが生まれるよりも昔から、「神」と人との間にはいろいろあったのです・・・

旧約聖書

LinkIcon 【旧約の預言者たち】

中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。

LinkIcon 【中国武術論】

作家による古典翻訳以外の文章です。
夢日記、怪奇体験、食べ歩き、随筆等、バラエティに富んだ独自のワールドをお楽しみくださいませ。

LinkIcon 好雪ひらひら

LinkIcon ぶんちん堂 Web Shop


ぶんちん堂のコンテンツをWeb販売しております。
現時点では好雪文庫を書籍(紙・電子)化したものがメインとなります。
※電子書籍はkindle版です。

LinkIcon ぶんちん堂 公式ブログ


ぶんちん堂コンテンツの書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト主人も「作家」として登場します。