東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

HOME > 第3話 倶胝和尚の指一本 「倶胝竪指」

超訳【無門関】

第3話 倶胝和尚の一本指  原題「倶胝竪指(ぐていしをたつ)」

倶胝(ぐてい)という和尚さんは、何も言わずに指を一本たててみせるだけで、全ての質問に答えることができるという必殺技を会得していた人です。

ある時、お客さんがやってきて、出迎えた倶胝和尚の従者に向かって尋ねました。

「おたくの和尚さんは、いったいどんな話をしてくれるんだい?」

従者は和尚のマネをして、指を一本たてて見せました。

そのやりとりを知った倶胝和尚、いきなりその従者の指を刀でぶった切りました。

従者は痛さの余り、わめき散らしながら逃げ出しました。

和尚さん、従者を呼び止めると、恐る恐る振り向いた従者の眼前に、指を一本立てて見せました。

それを見た瞬間、その従者は悟りをゲットしたということです。
倶胝和尚は、臨終に際して、こう言い残したと伝えられています。

「ワシは天龍和尚から「一指頭の禅」という必殺技を伝授されたのじゃが、なんと一生かかっても、この技の持つポテンシャルをすべて引き出すことができなかったよ・・・・・・」

・・・・・・なんとまぁ、メチャクチャな話もあったもんだ。

ただ、倶胝和尚もこの従者も、指先ひとつで悟ったわけではないということはわかっておけよ。

それがわかった時、天龍和尚と倶胝和尚、指を切られた従者と自分は一本の串で貫かれているということに気づくだろう。

わかるかな?

従者を相手に刀を振り回すなんて、まったくもって倶胝和尚は天龍和尚をコケにしているのだ。
巨神が腕を振り上げれば、その次に起こる事柄は実に単純明快。
どんなに大きな山だって、一撃でこっぱ微塵だ!

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