東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

updated 2021-12-07

  • HOME
  • >
  • 第3話 モッガラーナ

超訳【維摩経】

第3話 モッガラーナ

2006.11.29


一番弟子のシャーリプトラに断られた世尊は、二番弟子のモッガラーナ(目連)に言いました。

「じゃあ、モッガラーナ、お前が維摩の見舞いにいってきなさい。」

血相を変えて言い訳を始めるモッガラーナ。

「え?私ですか?!
いや、そのなんと申しますか、維摩とはちょっと色々ありまして・・・
以前、私がこのヴァイシャーリーの街角で、たくさんのお金持ちを集めて説法をしていた時のことなんですが、ヤツがいきなりやってきて難クセをつけ始めたんですよ。
「あー、ダメじゃダメじゃ!そんなやり方では全然ダメじゃ!!
「説法」というからには、お前さんは「法」を説こうとしているのだと思うが、そもそも「法」とは何じゃ?
「法」は生き物ではない。生死とは離れているからじゃ。
「法」は人格主体を持たない。過去未来と断絶しているからじゃ。
「法」は文字ではない。言語を超えたものだからじゃ。
「法」はかたちがなく、虚空のようなものじゃ。
「法」は「空」であるが故に議論の対象ともならないのじゃ。
「法」は美醜といった概念を離れ、増えることも減ることもないのじゃ。
「法」は生じることも滅することもなく、帰っていくところもないのじゃ。
「法」は一切の分別を超えたものなのじゃ。
どうじゃな?そんな「法」をお前さんはいったいどうやって「説く」つもりなんじゃ?
「法」とは説いたり説かれたりするものではなく、示されたり得たりするものでもないのじゃぞ!
「法を説く」とは、いうなれば幻術士が自分で作り出した幻の人に対して説得を試みるようなものじゃ。
そこのところをよく理解して「説法」するのでなければ、まったくダメじゃ!」
とかなんとか、凄い剣幕でまくし立てられてしまいまして・・・
で、私が集めた金持ちの聴衆は、すっかり維摩の弁舌に聞き惚れてしまったりして、もう私のメンツは丸つぶれでした。
申し訳ありません。誰か私でない他の人に頼んでください。」

以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
画面左上の「超訳文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 超訳文庫トップページへ戻る
メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る
↓それでは、どうぞごゆっくり。

昔の中国の人が考えたこと

諸子百家

LinkIcon おもしろ論語(孔子)
LinkIcon 老子
LinkIcon 荘子
LinkIcon 列子
LinkIcon 孟子

四書五経

LinkIcon 【大学】

日本が誇る大学者のご意見たち。
今のところ、明治維新期に活躍した人がメインです。
LinkIcon 井上円了
LinkIcon 【西国立志編】
LinkIcon 富永仲基
LinkIcon 内藤湖南
LinkIcon 【風姿花伝】

キリストが生まれるよりも昔から、「神」と人との間にはいろいろあったのです・・・

旧約聖書

LinkIcon 【旧約の預言者たち】

中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
LinkIcon 【中国武術論】

古典翻訳ではない、自作の文章を掲載します。「超訳文庫」の趣旨から外れますが、ご容赦くださいませ。
LinkIcon ぶんのすけ文集

LinkIcon ぶんちん堂 Web Shop


超訳文庫のコンテンツを書籍化して頒布する企画です。
PC画面もいいけれど、じっくり読むにはやっぱり「本」がよいという方にオススメです。
目に優しく手ざわりのよい書籍用紙を使用。A5サイズです。
編集はもとより印刷・製本に至るまで完全に自家製ですので、仕上がりは工業製品には劣りますが、「手作りの味」だと思っていただければ幸いです。

LinkIcon ぶんちん堂 Web Shop 公式ブログ


超訳文庫の書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト管理者のぶんのすけも「作家」として登場します。

LinkIcon BUNCHIN.COM