超訳【維摩経】
第20話 維摩、菩薩の慰め方を説明する
2007.1.12
文殊菩薩は言いました。
「私もあなたも「他を救う」という悲願を起こした「菩薩」と呼ばれる一種の超人なわけですが、「菩薩」は、いったいどうやって「菩薩」を慰めたらよいのでしょうか?」
維摩は答えました。
「そうじゃな、例えばこんな感じじゃ。
「肉体は無常である」と説きつつも、決して「肉体はウザイ」とか「肉体は捨てろ」とか言ってはいけない。
「この世は苦しみに満ち溢れている」と説いても、決して「涅槃」を願えなどと言ってはいけない。
自身は「無我」であると説きながらも、「大衆を教え導くべきである」と言いなさい。
自身は「空寂」であるとしながらも、「究極的には寂滅している」などと言ってはいかん。
過去に犯した罪を悔いるように説き、「やったことは時間が経てば消えてなくなる」などと説いてはいかん。
自ら病気になることで他人の病気のことを理解し、遠い過去から現在に到るまでの全ての苦しみを知るべきじゃ。
全ての人々の幸福を増進させようとするべきじゃ。
これまでに行なった善いことの利益をかみ締め、清廉な暮らしをおくるように心がけ、決してクヨクヨと悩んだり心配したりしてはならん。
常に努力して、全ての人々の病気を癒すことができる「医王」となることを目指すのじゃ!
・・・とまぁ、こんな感じで慰め励まして、おだてて喜ばせるといいと思うな、ワシは。」
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