超訳【維摩経】
第35話 維摩、菩薩パワーの無限性を語る
2007.5.26
「何も生まれないし、滅びもしないということを悟っている。が、しかしまぁ、説明の都合上、生まれてくる姿をみせる。
世界は広しといえども、太陽が昇らない国はない。
そして私もまた、世界中のありとあらゆる場所に現れる。
無数の仏をパーフェクトに供養しているが、「供養される仏」と「供養する私」との間の区別をつけてはいない。
この世の全てはみせかけに過ぎず、実在する本体を持たないことを知っているけれども、まぁしかし、がんばる者たちは応援する。
言うまでもなく私は世界中で使われている全ての言語を操ることができるし、姿かたちや仕草まで、彼らそっくりにすることができる。これも「菩薩パワー」のひとつじゃ。
悪魔や外道たちの「悪智慧」を知り尽くしているが、彼らがそれを使ってきたら、わざと引っかかってみせてあげる。
老いてみせ、死んでみせることを通じて、人々に自分たちは「まぼろし」であることを思い知らせる。
全ての財産を失い、家も、衣服も、そして肉体すらも滅び去る姿を見せつけ、おおいに栄えていた豪邸が全くの更地になってしまう過程を示すことを通じて、全ては「はかなくうつろいゆく」ものであることを思い知らせる。
全世界の人々が一斉に私を呼んだなら、私は無数に分身して同時に全員の家を訪問する。
私は、ある時は太陽、ある時は月になる。
ある時は天の神、ある時は人間たちの王になる。
私は大地、私は水、私は風、そして私は火、と、状況に応じて変化する。
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