超訳【維摩経】
第43話 維摩、「超菩薩」を召喚する
2007.9.30
維摩に怒鳴りつけられても皆が黙り込んだままなのを見て、文殊が口を開きました。
「・・・維摩さん、そんなこと、今の我々にできるわけないでしょう。ムチャ言わないでください!
それに、確かブッダはこうおっしゃっていたハズですよ。
「修行が足りない人のことを、あまりおちょくってはいけません。」、と!」
それを聞いた維摩は、サイキックパワーによって、全身を光に包まれたド迫力の「超菩薩」を召喚しました。
その光のもの凄さといったら、それまで別に暗くなかった室内やそこに居並ぶものたちが一瞬「まっくら闇」になってしまうほどです。
維摩は「超菩薩」に言いました。
「うむ、来たか。
いいか、ワシの命令をよく聞くがよい。
オマエはただちに、ここの上空、360x10の42乗光年をさらに42倍したところにある「衆香」と呼ばれる世界へゆけ!
そこでは今頃「香積」という名の仏様が昼飯を喰っておるから、次のように伝えなさい。
伝言は、こうじゃ。
「これはこれはどうも、仏様、ご機嫌うるわしゅう!
維摩はあなたの忠実なしもべであります。
なかなかお会いする機会が少なく、すっかりご無沙汰しておりますが、私はいつもあなたの足元に10万回土下座するぐらいの気持ちを持ち続けております。
実は今日はお願いがあって参りました。
今あなたがお召し上がりになっている、そのご飯。
それをちょこっとだけ、わけていただけないでしょうか?
いやいやいや、食べ残しでいいんですよ。
そうしたら私はそれを、ここのずーっとずーっと下の方にある、「シャバ」という名のロクデモナイ世界に持ち帰り、そこではいつくばっているチンケな連中に食べさせてやることができます。
連中はきっとご飯のウマさに感動し、眼からウロコが何枚もはがれ落ちることでしょう。
そしてあなたの評判は、ぶっちぎりの1位になること間違いなしです。
いかがです?是非、そうされてみませんか?」
どうじゃ、わかったか?
一言一句たりとも間違うなよ!!」
命令を聞き終わると、「超菩薩」は超光速で上空の彼方へと飛び去りました。
以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉 |
---|
画面左上の「超訳文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 超訳文庫トップページへ戻る |
メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る |
中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
古典翻訳ではない、自作の文章を掲載します。「超訳文庫」の趣旨から外れますが、ご容赦くださいませ。
超訳文庫のコンテンツを書籍化して頒布する企画です。
PC画面もいいけれど、じっくり読むにはやっぱり「本」がよいという方にオススメです。
目に優しく手ざわりのよい書籍用紙を使用。A5サイズです。
編集はもとより印刷・製本に至るまで完全に自家製ですので、仕上がりは工業製品には劣りますが、「手作りの味」だと思っていただければ幸いです。
超訳文庫の書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト管理者のぶんのすけも「作家」として登場します。