東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【維摩経】

第54話 ブッダ、ちょっと言い過ぎる

2007.12.15

世尊(お釈迦様)はさらに続けます。

「私はそんな人のことを、「完璧者(サムヤクサムブッダ)」と名づける。
また「真理勝利者(タターガタ)」と名づける。
また「覚醒者(ブッダ)」と名づける。

この3つの呼び名の意味あいについて詳しく解説してやってもよいのだが、全部聞き終わる前にキミたちの寿命は尽きてしまだろう。

この世の中の全ての人がアーナンダと同レベルの「丸暗記達人」で、かつ43億年近い寿命の持ち主だったとしても、とてもではないが最後まで聞き終われるようなものではないのだよ。

いいか?

あらゆる仏たちの智慧やハタラキは実に限りなく、途方もない。
まさに「不可思議」ってヤツだ!!」

アーナンダはしょんぼりして言いました。

「・・・そうなんですか。
じゃあ、丸暗記だけが取り柄の私なんて、なんの役にも立ちませんね・・・(泣)」

ブッダは言いました。

「ああ、すまんすまん。ちょっと言い過ぎた!
アーナンダよ、何もガッカリすることはないぞ。

私はかつてオマエのことを「丸暗記大将(多聞第一)」とほめてやったことがあったよな?
あれは決してウソじゃない。
オマエの持つ「たくさん聞いて一切忘れない」という能力は、実際とてもたいしたもので、わんさといる弟子たちや修行者たちの中では、間違いなくナンバーワンなのだ。

ただ、今話していたのは、人間の限界を超えた「菩薩」レベルの話なんだよ。

どんなに智慧のある者でも、「菩薩」たちのやることや考えていることなど、到底わかりっこないのだ。
海の深さは測り知れないぐらい深いのだが、それでも人智を尽くせばなんとかそれらしい数字は出せるだろう。
でもな、「菩薩」たちの能力を計測することは人智ではムリだ。

まぁ、そういうわけだから、できないからといってガッカリすることはないんだよ。

アーナンダよ、今はとりあえず、この話は忘れておきなさい。考えるだけムダなんだから。

今はただ、「一方的に教えを聞くだけ」とか「誰の言うことにも耳を貸さない」などというレベルの修行者たちが50億年の10万倍の時間をかけたところで、この維摩のオッサンが一瞬で巻き起こすミラクルパワーに全然かなわない、ということだけわかればいいよ。」

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