東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【維摩経】

第62話 大団円

2007.12.30

世尊は弥勒菩薩に向かって言いました。

「マイトレーヤ(弥勒の本名)よ。
今この場を持って、オマエを私の後継者に指名する!
私がいなくなって後のはるかな未来、オマエはそれまでに蓄えたパワーを全開にして頑張るのだ!

最後にオマエにやり方のコツを教えよう。

教えを学ぼうとする者たちをよく観察してみろ。

やたらと言葉や形式にこだわり、「てにをは」や誤字脱字はもちろん、文章の流れや美しさなどにもこだわる者たちがいる。

細かいことは一切無視して、「要するにどうなのか」ということだけにしか興味がない者たちがいる。

細かいことにこだわるのは初心者で、細かいことを気にせずに要点だけつかもうとするのはベテランだ。

初心者連中は、自分の知らないことや理解できないことを見聞きすると、すぐにビビってしまって拒絶反応を起こしがちだ。

挙句に揚げ足をとったり悪口を言い出したりする始末なのだ。

これが初心者たちの成長を妨げる大きな要因なので注意しろ!

また、ベテランたちにも、初心者をバカにして相手にしなかったり、教えを理解していても、それにとらわれすぎてアレコレといらないことを考えてしまうような連中がいる。

これはベテランたちの陥りやすい状態なので注意しろ!」

弥勒菩薩はそれを聞くと言いました。

「了解です。任せてください!

私は遠い未来であっても、この教えを人々が知って信じて広めるように操る念波を送り続けましょう。

というわけなので、遠い未来、この教えを読んで喜んだり面白がったり、他人に広めようとしたりしている人を見かけたら、ああ、マイトレーヤのサイコパワーはまだ続いているんだな、と思ってください!」

世尊は言いました。

「おお!いいんじゃないか?
実にオマエらしいやり方だ。(笑)
その調子でどんどん頼むよ。
私も応援するし。」

その場に居合わせた菩薩たちは一斉に合掌して宣言しました。

「我々も誓います。
あなたがいなくなった後も、我らは全世界中に散らばって教えを広めます!」

四天王も宣言しました。

「我々も協力するぜ!
都会であろうと田舎であろうと、山であろうが林であろうが平野であろうが、この教えを信じて広めようとしているヤツがいたら、我ら四天王軍団は大挙して駆けつけることを約束する!
そしてソイツの周囲1.5kmに結界を張って、悪いやつらが近寄れなくしてやるよ!!」

世尊はアーナンダに言いました。

「おい、アーナンダ!
オマエはこの教えの記録を担当しなさい。」

アーナンダは嬉しそうに答えました。

「合点です!丸暗記なら任せてください!!
すでに今までの話は全部、バッチリ頭に入っていますよ!

ところで世尊さま、今回のお話には、いったい何というタイトルをつけましょうか?」

世尊は答えました。

「ん?タイトル?・・・なんでもいいんだがな。

そうだ、こうしよう。

「維摩のオッサンが言ったこと」という題にしよう。

それだとそのまんま過ぎてアホみたいだというのであれば、「とても不思議な解脱の方法」と呼ぼう。

そういうことで、アーナンダ、しっかり記録しておけよ!」

それを聞き終わった維摩居士、文殊菩薩、シャーリプトラ、アーナンダおよびその場に居合わせた神々、人間、修羅など一切の者たちは、一斉に喜びの声をあげました。

超訳・維摩経 完

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