東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【維摩経】

第0-2話 パラダイスって、どんなところ?

2009.2.14

宝積くんはブッダを褒めちぎるだけ褒めちぎると、こうたずねました。

「世尊さま!

我々はみな、パラダイスに行きたいと願っています。
菩薩や仏が治めているという美しく清らかな地、パラダイス。
それは、いったいどのようなところなのでしょうか?」

ブッダは言いました。

「うむ、それはいい質問だ。
オマエたちはひょっとして、「パラダイスはどこか遠いところにある」などと思っているんじゃないか?
パラダイスは他のどこでもない、オマエたちの中にあるというのに。

この際だからハッキリ言うぞ。
「パラダイス」とはつまり、オマエたち自身のことなのだよ。

この世界には、様々な性格を持つ多種多様な菩薩たちがいる。 
そして彼らはみな仏になるために、どこかふさわしい修行の場はないかといつも探しまわっているのだ。

宝積よ、よく聞きなさい。

もしもオマエが「まっすぐな心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「へつらいのない人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「深く道を求める心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「徳を備えた人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「さとりを求める心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「生きとし生けるもの全てを救おうと願う人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「情け深い心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「「自分のもの」を全て捨て去った人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「おちつきを求める心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「心が乱れることのない人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「方便を使いたいという心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「自在に方便を駆使する人」が住むパラダイスが出現する。

もしもオマエが「自分の得た利益を全部他人にあげてしまう心」を持ったなら、すぐさま菩薩がやってきて、オマエの中で修行をはじめることだろう。
そしてその菩薩が仏になった時、そこに「一切の功徳をそなえた人」が住むパラダイスが出現する。

宝積よ、クドくなってきたのでこの辺でやめておくが、つまり、そういうことなのだ。

人の中に清らかな「正しい心」が発生した時、そこで菩薩が動き出す。

菩薩はその人に「行動」を起こさせ、「行動」は「願い」を引き起こす。

「願い」は「決意」となってその人の「正しい行動」を強力にサポートし、「正しい行動」の結果として様々な「功徳」が獲得される。

獲得された「功徳」は「方便」のチカラによって一切の生きとし生けるものを救済する活動に振り向けられる。

そして一切の生きとし生けるものが救済された時、そこに「美しく清らかな地、パラダイス」がある。

各人の心の清らかさこそが、パラダイスなのだよ。」

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