29
11月

事業本部長(以下、部長):「ちょっと油断すると、すぐ更新が滞るな。毎週とはいわないまでも月に2度ほどのペースで更新しないと、「死んだ」と思われて読者が離れていってしまうぞ!」

ブログ管理人(以下、管理人):「いや、返す言葉もありません。一ヶ月以上も放置してしまいました・・・
ただ、水面下では色々とやっていたのですよ。」

部長:「なんだ、色々って?」

管理人:「超訳文庫HPとブログの統合実験とかです。現在はあちらにリンクを貼ってあるのですが、このブログが更新されたかどうかはこちらにこないとわかりません。
統合してしまえば、それも改善されるかと思いまして。」

部長:「で、どんな感じだ?」

管理人:「すみません、もう少し時間をくださいませ・・・」

部長:「しょうがないなぁ・・・ まぁ、いまのところ誰からも文句が出ていないわけなので、それはおいおいやってくれればいいぞ。
それよりも、ブログの更新はもうちょっとこまめにしていただきたい。」

管理人:「・・・努力します。」

部長:「ところで書籍の売り上げの方はどうだ?」

営業:「まぁ、ぼちぼちですね。時おり思いついたように注文が入る、という感じです。」

部長:「前から気になっていたのだが、実際に注文してくださる方というのは、いったいどんな人たちなのだろうな?」

営業:「年齢層は20代から60代ぐらいまでと幅広く、男女比は「男7:女3」ぐらいですね。職業は学生や教職員の方が多いようです。」

部長:「ほう、そりゃまた意外だな。若い人はHPで情報が得られたら、それ以上わざわざ書籍を求めるようなことはしないかと思ったので、もっと全体に年齢層は高いかと思っていたのだがな。例えば5、60代の定年退職後の男性とか。」

営業:「こと、維摩経に関していえば、HPのアクセス自体もacドメインが大半です。書籍注文者に学校関係者が多いこともうなづけますね。」

部長:「しかしまた、なんで学校関係なのだ?」

営業:「推測してみるに、仏教関係の大学において、維摩経などの経典が教材となっているのではないですかね? で、内容理解の助けとして現代語訳を求めるニーズがあると。」

部長:「なるほど、それは思いもよらなかった。確かに維摩経そのものは、いわゆる葬式仏教から離れたものであるために、近頃の一般の人たちが触れる機会はほとんどないからな。一部研究者ぐらいしか読まないとは思っていたが、なるほど仏教の学校か。」

作家:「維摩経が課題として与えられたことをきっかけに、超訳文庫HPを訪れる人も多いみたいです。実際に売り上げにつながらなかったとしても、仏教典の面白さを伝えることができているのであれば、作家冥利に尽きますね。」

部長:「そうだな、SEO対策の効果というのはつまり、そういうところに現れるのだな。
・・・売り上げにつながると、もっといいのだが。」

一同:(苦笑)

25
10月

事業本部長(以下、部長):「なんだかんだで超訳文庫HPは開設以来の訪問者数がのべ1万人を超えたなぁ。実に感無量だ! ところで、アクセスログを見る限り、もっとたくさんの方がいらっしゃっているように思えてならないのだが、このカウンターは何故こんなゆっくりとしか回らないのだ?」

管理者:「ああ、それは重複カウントを排除しているからですよ、以前申し上げたような気もしますが。つまり、同じ日にある人が何回か訪問しても「1」ですし、一日中夢中になって300ページ以上読み耽っていただいても「1」なのですよ。いわゆる「ページビュー」ということであれば、一日平均「500」ぐらいはあります。たとえば先月(9月)の一ヶ月では、総アクセス「30万件」、アクセス「1万8千件」、訪問者「7千人」です。で、カウンターは「1000」ほど回るわけですね。」

部長:「うーむ、なんだかよくわからんが、そんなもんなのかなぁ・・・ 「人気ブログランキング」とかを見ると月間165万件とかが1位で、10位以下になると数十万件ぐらいになるわけだから、我らが「超訳文庫」HPも「総アクセス数」を基準にすることとすれば結構いい線いっていることになるのではないか?」

管理者:「なるほど確かに「一日1万アクセス」と言ってもそんなにウソにはならないわけなので、巷の「人気ブログ」のレベルには達しているのかも知れませんね。・・・しかしこれはこれでいいんじゃないですかね、あのサイトは決してランキング上位を目指すためにやっているのではないでしょう?SEO(検索エンジン最適化)に関しては、GoogleとYahooを軸にきっちりとやっていますから、必要とする人の目には必ず触れるようになっています。例えば「維摩経って、どんなことが書いてあるんだろう?」と思った人がいたならば、「維摩経 訳」とかで検索すれば、10位以内に入ります。」

部長:「なるほどな、押し付けることはしないが、求める人のところには届くようにしてあるということか。・・・理想といえば理想の姿なのかも知れないが、営業的にはどうなんだろうな、もっとゴリゴリと押し出しまくった方がよいのではないかな?」

管理者:「まぁ確かに書籍版の実売数と訪問者数を比べてみると、いわゆる「コンバージョン率」は0.5%ぐらいですからねぇ。つまりサイト上の文章を読んで、「書籍で読みたい!」となって、shopを訪れて注文まで行く、という人は、ざっと200人に一人程度ということになりますか。」

部長:「うーん、それは多いのか少ないのか・・・ 「およそ商売ってレベルじゃねぇ」のは間違いないところだが(苦笑)。」

管理者:「一般的には4%ぐらいが平均だといわれているようですね。あまり意味のある数字とも思いませんが。」

部長:「そうだなぁ、まぁ、しばらくはこのスタイルで行くか。「来るもの拒まず、去るもの追わず」、それが一番無理のない姿だしな。」

管理者:「そうですよ。」

部長:「というわけで、人件費も当面凍結だからな!」

一同:「そもそも、今まで一度ももらってませんよ!!」(苦笑)

管理者:「ああ、カウンターが999xを示している! まず間違いなく、夜明けごろには記念すべき「1万人目」の訪問者を迎えていることだろう!
記念すべきその瞬間を目に焼きつけ・・・というか眠い。
というか、もう寝よう。zzzzzzz」

部長:「こら、バカモン!! 記念すべき瞬間だというのになにを寝ぼけておるのだ!?
カウンターが「10000」となった瞬間のスクリーンショットを取るのではなかったのか?」

管理者:「zzzzz・・・そんなの明日の朝、というか昼頃起きてから1万を超えているのを確認して、それをキャプチャした上で画像をキリ番に加工すればいいわけですから、今日はもう寝てもいいんじゃないですかね?・・・zzzzzz」

部長:「なんだそのユルイ態度は! キリ番ゲッターには何かプレゼントするぐらいのつもりでいたのではなかったのか!?」

管理者:「zzzz・・・いや、気持ちはありますけど、考えてみたらmixiと違って「足あと」が特定できませんので、キリ番ゲットした人を特定する術がないのですよ・・・zzzzz」

部長:「む、そう言われればzzzz・・・というか起きろコラ! 今こうしている瞬間にもカウンタが「10000」を示してzzzzz・・・」

管理者:「zzzz・・・」

部長:「zzzzz・・・・」

管理者と部長以外の一同:「ダメダこりゃ! zzzzzzzzzzzz」

事業本部長(以下、部長):「どうだ、引き続き売れておるかな?」

営業:「ええ、ひと頃のような勢いはありませんが、ポツポツと注文が入っています。ありがたいことですねぇ。」

部長:「そうか、それは何よりだ。しかし、いまだに累積赤字を解消するには至っていないし、我らの人件費はいまだかつて一度も支払われたことがないという状況に変わりはない。作家への原稿代も払えていないし、もうちょと何かブレークスルーがないとキビシイなぁ・・・次回作の「超訳・夢中問答」の執筆ははかどっておるのかな?」

作家:「それはまぁ、ボチボチと・・・」

制作:「部長! それに関して、重大な問題があることが判明したのですが、今お話していいでしょうか?」

部長:「な、なんだ!? どんなことだ?」

制作:「先日もチラッと話題になっていたかと思いますが、現在制作中の「超訳・夢中問答」は300ページ近い「大作」となる見込みです。
それ自体は大変に喜ばしいことなのですが、いったい単価をいくらにしたらよいのかという問題が出てきました。
既刊の「超訳3部作」は、それぞれ80ページ強で、千円均一としています。
これは超訳文庫創立時のポリシーである「1ページ10円」に乗っ取った設定なのですが、これをそのままあてはめると、なんと3000円とかになってしまうのです。
いくらなんでも、これはちょっと高すぎますよねぇ・・・」

仕入:「従来の装丁を踏襲する限り3000円がギリギリの線です。それ以下では原価率の観点からもまるで見合いません。」

営業:「うーん、自家制作本といえども仕上がりに関しては決して低い方ではないと自負してはいるものの、3000円の価格設定は確かにキツイ。市販本は上質紙使用のフルカラーで400ページもあって1600円ぐらいのヤツがザラにあるわけだし、内容はともかくとして、外形的な比較をされると話にならないなぁ・・・」

部長:「むむむ、確かに・・・ 家内制手工業の弱点のひとつがそこにあるわけなのだが、逆に様々な点で小回りがきくという強みもあるはずだ。なんとか智慧を絞ってみようではないか!」

作家:「3分冊にしたらどうですかね? 
上・中・下として、それぞれを1アイテムとして扱えば、原価的にも見合いますし、営業的にもやりやすいんじゃないですか?」

制作:「な、なるほど! 確かにそれなら従来の製本手法を完全に踏襲しつつ、3倍の量のテキストが扱える!」

営業:「アイテム数が増えるのは、こちらとしてもやりやすくなるので有難い!」

仕入:「そうですね。それであれば、原価構成は従来どおりですので悩む必要はなくなります。」

部長:「おお、素晴らしい名案だ! そうすれば全部書きあがるのを待つことなく、今年中には上巻が発刊できるだろう。この手の商売は何よりも「ライブ感(動いてる感)」が重要だからなぁ。是非、そうしようではないか!!」

作家:「本当は全部書き上げた上で構成を確認したいんですがね・・・ 背に腹は変えられないってとこですか。」

部長:「そうだな、最初の方と最後の方で登場人物のキャラ設定が変わっちゃったりしても困るしな・・・」

営業:「そんなの連載マンガとかでは日常茶飯事ですよ。一部のマニア以外気にしませんって!」

部長:「いや、原文がネットで公開されているにもかかわらず、我々の本を買ってくれるような方は、気にするんじゃないかな?」

営業:「そうですね・・・ 最終的にあんまりヒドイ場合は改訂版を贈呈するぐらいの対応が必要かも知れませんね。」

部長:「そうだ、上・中・下が出揃った段階で、改訂済みテキストによる合本を制作し、それを進呈するというのはどうだろう?」

一同:「だからそれの価格設定はどうするのですか!?」(苦笑)

事業本部長(以下、部長):「朝晩に加えて、日中もだいぶ涼しくなったなぁ。もうすぐ秋か・・・
ところでどうだ? 「超訳・夢中問答」の執筆ははかどっておるのかな?」

作家:「ええ、まぁボツボツと。だいぶノリも思い出しましたし、前後の脈絡もつながってきました。
あとはまぁ、ひたすら書くだけかと。」

部長:「おお、それは何よりだ! 実は先ほど、今までにテキスト化された部分を、試しに書籍の体裁にしてみたのだよ。そうしたらなんと、50ページ近くの分量になった。20話もないのにこの分量だから、最終話まで全部訳せば250ページを余裕で超える計算だ。大作の予感バリバリではないか!」

作家:「ですねぇ、執筆に費やした時間だけでみれば、もうすぐ「金剛経」を仕上げるのに要したのと同じぐらいになりますよ。あれ、本体だけだと60ページもないですからね。・・・まぁ、分厚ければよいというものでもないわけで、「金剛経」における哲学的到達点の高さは実に恐るべきものなのですが。」

部長:「うん、ワシもそう思う。本当のことを言えば、言葉や文章など、長ければ長いほど失敗に近づくのだ。ワシが「長編」嫌いなのは、なにも飽きやすい性格だからというわけではなく、冒頭ないしは最終章、もっというなら「後書き」だけ読めば済むような内容のものを、何百ページもにわたって引き伸ばしてあることにウンザリしているからなのだ。
もちろん、「長編」であっても内容の濃いものはたくさんあるのだがな。」

作家:「同感です。巷に溢れる「ただ長いだけ」の文章は、本来内容がないものをさらに薄めて、思いっきり引き伸ばして作られているわけですが、名作「長編」の場合は、印刷された文字以上のさらに膨大なインフォーメーションとメッセージ、つまり情報量をその背後に秘めているのです。
つまり、つまらない「長編」の正体は「超短編」に過ぎず、傑作「長編」の正体は、膨大な「長編」を高度なテクニックによって圧縮したものであるのです。
つまらない話はどうやっても膨らましようがありませんが、優れたテキストはそこからさらに何倍にも膨らますことができて、かつ味が薄まることもありません。
そしてそれこそが、私の「超訳」の源泉なのですよ。」

部長:「なるほどな。今回の「夢中問答」は、90話以上ある比較的長編だが、一問一答形式を取っているおかげで一話ごとのまとまりがあり、間延びすることがない。なんとか最後まで書ききって、年内には出版に漕ぎつけたいところだなぁ。
過去の3作は原文が中国語であったが、今回は初めて日本語からの超訳であるわけだし、我らが「ぶんちん堂」としてもエポックメイキングなものとなるのは確実なのだから。」

作家:「日本語、といっても古文に近いですけどね。(苦笑)
まぁ、秋の夜長を利用して、淡々とやりますよ。清涼なる秋月のごとき文章の「冴え」を、せいぜいご期待くださいませ。」

部長:「おお、なんと頼もしい!!
 それではこのあいだ発売されたビール、もとい発泡酒の「冴」をケースで買ってくるとしよう。今晩は大作完成の前祝だ!!

作家:「気が早すぎますよ・・・(苦笑)」

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※カインズホーム各店舗(ベイシアグループ)にて発売中

05
9月
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部長:「朝晩は涼しいが、まだ日中は暑いなぁ・・・ ところで作家よ、調子はどうだ?」

作家:「悪くありませんね。新しい資料も入手できましたし、インスピレーション全開です!」

部長:「おお、それは素晴らしい! ・・・というか、なんで拡散傾向なんだよ!「夢中問答」に集中しろと言ったはずだが?」

作家:「まぁまぁ部長、雲門禅師も言っているではありませんか。「平地上死人無數、出得荊棘林者是好手!」って。一見横道にそれるように見えたとしても、それがまた次の作品への肥やしになるんですよ。」

部長:「それはなんか使い方が違うのではないか? ワシはむしろオマエに老子の「大道甚夷而民好径」という言葉をおくりたいが・・・ なぜ大道を直進しようとしないのだ!? その方が早いだろうに。」

作家:「いえいえ、無門禅師も言っているではありませんか、「大道無門、千差有路」と。「横道」もまた、「大道」そのものなのですよ!」

部長:「・・・全く口ばっかり達者で困ったものだ。わかったからなるべく早く「夢中問答」を仕上げてくれよ。「千差有路」というのであれば、「遊び」と「仕事」を同時進行させることも可能なハズだろう?」

作家:「いやいや、私などまだまだその境地には・・・」

部長:「そこで弱ぶくむなよ!」(苦笑)

21
8月
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制作担当者(以下、制作):「部長、いま超訳【維摩経】の奥付をみていて気がついたのですが、去る8月9日が我らが書籍出版事業本部の設立一周年でしたね。」

事業本部長(以下、部長):「おお、本当だ! あれこれと忙しかったりアホみたいに暑かったりで忘れていたが、初版が刷り上ったのが去年の8月9日だったな。それまでは作家がひとりでテキストをmixiに出力するだけのものだったのを、我らスタッフが一致協力して書籍のかたちにし、ネットショップを開設して世に問う体制を整えたのだった。」

営業:「そうでしたね。そもそも何冊刷るのがよいのか、また頒布価格をどう設定するかなど、すべてが手探り状態でしたっけ・・・」

経理:「仕入れの話は胃が痛くなるのでやめておきますが、結局一冊1000円に落ち着いたのでしたね。企画段階での予定価格は500円だったのですが、それではとても成り立たないということで、最終的にその倍額となったのでした。市場性に乏しいニッチな学術書とか自費出版とかが一冊5000円近い値段がついているのには、それなりの理由があることがよくわかりましたね・・・」

部長:「あれは確かに苦渋の決断だったな。本来、人件費抜きだとしても3000円以上にしないととてもペイしないところを、「普及」を第一義に掲げてなんとか1000円に押さえたのだよ。」

営業:「お客さんからみたらそれがギリギリの線でしたね。一般的な文庫本だって1000円未満のものが大半です。豪華装丁でもなく、なんとか書籍としての体裁を保っているだけのレベルの小冊子に支払うには、それが限界でしょう。」

部長:「愛情は込めているんだがなぁ・・・」

営業:「善意の第三者には関係のないことですよ。新妻のヘタクソな料理も本人の目前で食べるからなんとかガマンできるのであって、同じものを食堂で金を払って食べるかといわれればNOでしょう?」

部長:「そう言われると返す言葉もないが・・・」

営業:「とはいえ、初版は全て読者の手に渡り、増補改訂版ももう15冊ほど出ました。シリーズ3冊合計では60冊近くになります。ありがたいことではありませんか!」

部長:「まったくだなぁ。こうやって今日もお酒が飲めるのも、読者の皆さまのお陰だよなぁ。」

一同:「まだ昼ですよ!」(苦笑)

部長:「・・・ところで作家はどうした? 第4弾の執筆は進んでおるのか?」

制作:「それが・・・ ドラクエ9にはまってしまって、それどころではないようです。なんでも通算プレイ時間が100を越えたとか。」

部長:「なんだと!? ・・・全くしょうがないヤツだなぁ、「時光惜しむべし」とか偉そうなことを言っていたくせに。」

制作:「いや、寝る間も惜しんでプレイしているようですよ。」

一同:「ダメだこりゃ!」(溜息)

17
8月

夕刻、ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

事業本部長(以下、部長):「ああ、今日も一日暑かったなぁ。朝晩はまだ涼しいのが救いだが、こう暑いと、気力はもとより思考能力も低下気味で困ったものだ。マムシドリンクでも飲んで気合を入れるしかないか・・・ どうした、浮かない顔をして?」

営業:「いや、今回また新たな発注があったので、焼きたてホカホカのヤツを出荷前に念のためにパラパラとめくって検品していたところ、誤字が発見されたのですよ。」

部長:「なに!? 各種原稿は相当念入りに校正作業をしたハズではなかったのか?」

営業:「はい。 しかし、今回の部分はまったくもって盲点でした。以前、「超訳・無門関」冒頭の序と目次部分のデータを作家が酔っ払って失ってしまったというご報告をしましたよね?」

部長:「ああ、あれか。情けない話だよな、まったく!」

営業:「ええ、それで今回、この際だから本文全体を見直して相当に加筆訂正を実施し、あわせて誤字脱字の類も修正したのですが、序と目次に関しては特に書き直すほどのこともなかったので、初版時の印刷物をスキャナOCRで取り込んで、体裁を整えることで原稿データを作ったのですよ。最近のOCRはかなり認識率も高いので、ほとんどそのまま使うことができたのですが、そこに油断があったようです。」

部長:「おお、これか。 ・・・なるほど、いきなり「~」が「1」に、「七」が「セ」になっているな。この部分は私も何度も目を通したのだが、気がつかなかったなぁ・・・ やたらと画数の多い難しい漢字などは一所懸命確認したのに。」

営業:「ですよねぇ、私も相当細かくチェックしていたのですが、まるで気がつきませんでした。人間って、多少の誤差は脳内で修正してしまうので、黙読するだけではちょっとしたエラーには気がつかないんですよね・・・」

制作:「このOCRで作成した目次部分には、それ以外にも、「ゃ」であるべきところが「や」となっている箇所が発見されています。OCRは小文字が苦手なんですかね。」

部長:「うーむ、都合5箇所ぐらいあるなぁ。内容的に影響するような部分ではないのだが、「完璧を期す」という点からは、なんともカッコ悪いと言わざるを得ない。」

制作:「今回出荷対応した分については全部やり直したのですが、既に出荷された分はどうしましょうか?」

部長:「むむむ・・・ 「無償で交換」と言いたいところだが、そうでなくとも厳しい台所事情だ。ここはひとつ、お客様の「ご理解」を求めたいところなのだが・・・」

営業:「そうですね。なんとも不細工な話ですが、書店で売られているような結構高額な本でも、いきなり正誤表が入っていることもあるわけですし・・・」

経理:「そうですね。かの名作「ジョジョの奇妙な冒険」ですらも、第1話でいきなり「何をするだァーッ」とか、思いっきり「ん」が抜けちゃっていたにもかかわらず、66刷になるまで訂正されなかったそうですし、気づいた都度直すということでいいんじゃないですかね?」

部長:「そうだなぁ、あれはむしろ直されちゃって残念なぐらいだったよ。今回の誤植も、かえって作品の「レア」度が高まるものと受け取っていただけるとありがたいと思うばかりだ。」

営業:「そうですよ。パンだって焼き上がりはロットによってみな完全に同じ形状ではないではないですか。「手作りの味」の範疇ですよ!」

部長:「気楽なこと言いやがって! あれは食べたらなくなってしまうものだから、まだいいんだよ。ずっと残っていくものでそれはなかなかキビシイのだ。・・・とはいえ、いちいち交換に応じるのもキビシイのもまた事実。誠に申し訳ないが、ここはご理解いただくしかないな。」

販売:「というわけで、お求めになったもので誤植を発見された皆さま、まことに恐縮ですが、ご事情ご理解くださいませ。」

一同: < (_ _)>

部長:「・・・暑い。暑すぎる!! 機材の発する熱と我らの発する熱気で室温は上昇するばかりではないか!」

制作:「そうですね。クーラー全開にしていないとキビシイですよね。我らが暑いだけなら根性で乗り切ればよいのですが、先日などCPUが熱暴走して危うく作業内容が飛ぶところでしたよ・・・」

部長:「ああ、あれか。CPUの過熱アラーム音など初めて聞いたよ・・・ びっくりしたよなぁ。」

制作:「そういえば、また新規の注文があったようですよ。さっき販売担当者から報告がありました。」

部長:「おお、それは素晴らしい! その調子でどんどん注文がくるといいなぁ。 ところで話は変わるが、Shopページにはそれぞれの商品ごとに「レビュー」を書き込めるようになっているよな? あれ、全然活用されていないようなのだが、どうなっておるのだ?」

制作:「ああ、「ブックレビュー」欄ですよね。私も気になっていました。おい、システム管理者よ、どういうことなんだ?」

シス管:「・・・いや、それなんですが、やっぱり皆さん、まだ誰も書いていないところに最初に書き込むのには抵抗があるのではないですかね。」

部長:「いや、近頃では「1」をゲットすることに生きがいを見出す向きも多いと聞いているのだが?」

シス管:「うーん、そういう向きのお方は、我らの本のジャンルとはマッチしないのかも知れませんね。」

制作:「しかし、いつまでもこのままでも寂しいよな。誰かスタッフにサクラで書かせたらどうだ?」

シス管:「いや、実は作家自らサクラとなって、一回書いてみたんですよ。・・・で、なんかサムイということになって、削除してしまったというわけです。」

部長:「まぁ、自画自賛、というか自作自演というのも、さらに詫び寂びが増すばかりか・・・ しばらく様子見するしかないか。」

営業:「レビューを書いてくれた方に何かプレゼントするというキャンペーンを実施してはどうでしょうか?」

部長:「・・・何をプレゼントするのだ?」

営業:「我らの本とか。」

部長:「いや、そんなに同じものばかり何冊もいらないだろう、普通!」

営業:「だって、ほかになにもないじゃありませんか!」

部長:「我らスタッフと一緒に飲みに行ける、という特典はどうだ?」

一同:(苦笑)

夕刻、ぶんちん堂・東京オフィスにて。

事業本部長(以下、部長):「・・・暑い。夏だから暑いのは当然としても、7月は割と涼しかったので油断していたところに急に暑くなられると、体力的にも結構きついなぁ。せめて日暮れ頃からは涼やかな風が吹いてヒグラシが鳴く・・・というのが理想の風情なのだが。」

作家:「まぁ、仕方ないですよ。「暑いときは暑く、寒い時は寒い。それが「この世の真実」だ!」と、禅宗の書である「碧巌録」には繰り返し説かれているではありませんか。・・・個人的にはずっと春か秋であってほしいと思っているのですがね。」

部長:「そうだなぁ、その方が身体も楽なような気がするな。ただ、メリハリがなくてつまらなく思う時もあるんじゃないかな?」

作家:「ですね。ひがな一日ゴロゴロしていて涼しい気候、というのでは、きっとビールも旨くないでしょう。「ガーっときて、バーっといって、ダーっと飲む」というのがビールの醍醐味ですしね。」

部長:「意味はわからんが、なんとなくそんな感じかもな。(笑) ところで、次回作はどうするのだ?」

作家:「ええ、例の「夢中問答」でいこうかと思っています。かつて10話分ぐらい書いてあったのですが、間が空きすぎて「ノリ」を忘れてしまったので、中国語で書かれている「後書き」をなぞって、なんとか感覚を取り戻してきたところです。」

部長:「そうかそうか! 気が早くて恐縮だが、完成はいつぐらいになるかな?」

作家:「そうですねぇ、100話近くあるうちの10話ぐらいが終わっていますから、一日の作業時間が数時間として、あと3ヶ月以上はかかりますね。毎日やれるわけでもないので、なんだかんだでその倍ぐらいかかるかも知れません。」

部長:「むう、秋口はムリだとは思ったが・・・ なんとか今年中には刊行したいものだなぁ。」

作家:「ですねぇ、なんとか頑張ってみますわ。」

部長:「よろしく頼むわ。 ・・・どこへ行くのだ?」

作家:「いや、近所で花火大会があるらしいので・・・」

部長:「おお、オレも行く! ツマミと缶ビールは任せておけ! オマエは場所取りだ!」

作家:(苦笑)