夕刻、ぶんちん堂・東京オフィスにて。

ブログ管理人(以下、管理人):「みなさま、ぶんちん堂 Web Shop 公式ブログ開設の運びとなりました!日々の活動の記録やお知らせなどをどんどんアップして参りたいと思いますので、今後ともよろしくお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます!」

事業本部長(以下、部長):「いや、このエントリの並びはなんかおかしくないか?本来このエントリが一番最初にくるべきなのに、過去日付のエントリが先に掲載されているぞ。」

管理人:「いや、それには色々と事情があるのですよ。」

部長:「システムの使い方がよくわかってないだけだろ?」

管理人:「・・・はい、そうです。」

部長:「まぁ、ブログもサービスを提供している会社ごとに色々とクセがあるからなぁ。使い勝手のよしあし、というか、慣れの問題もかなり大きいし。ところで、なんで今さらブログなど開設するのだ?」

管理人:「ショップページに「ライブ感」を持たせようと思ったのですが、わりとカッチリしたシステムであることが災いして、あまり構成がいじれなかったのですよ。「新着情報」に入れれば済むかとも思ったのですが、あそこにあまり情報を詰め込みすぎるのもウザイですし・・・」

部長:「従来どおり下書きに使っている「mixi」で用が足りるのではないか?」

管理人:「いや、それも考えたのですが、現段階ではまだ「mixi」は招待会員制なので、誰もがふらっと訪れるというわけにはいかないじゃないですか。「ぶんちん堂」全体は既にパブリックスペースに進出しているのですから、それにまつわるあれこれの情報発信もオープンであるべきですよ。」

部長:「そんなもんかなぁ。」

管理人:「そんなもんなのです!」

部長:「・・・継続できるのか?」

管理人:「うっ・・・イタイところを・・・」

部長:「結局、この書き込みの後、2、3回更新してあとは野ざらしになるのではないのか?」

管理人:「い、いや、大丈夫ですよ。このブログはこれまで失敗してきたような「高邁な思想を謳いあげる」とか、「オリジナル大論文を発表する」とか、「日々の思いを語る」とかではないのですから!」

部長:「・・・いや、あまり説得力がないな。どう違うというのだ?」

管理人:「一人者視点ではないということです。人間がひとりで思いつくことなど、所詮は多寡が知れています。ブログが行き詰るのは、主にその限界をクリアできないからです。巷でも継続性の強いブログはみな、それを解決するための工夫があります。たとえばニュースや時事問題などをネタにしたものなどがそうですが、それも余程の見識をもってやらない限り、「脊髄反射」的な内容のオンパレードとなってしまうので、読む側に「オナカいっぱい」感を与えないようにしつつ品性を保つのは至難の業です。」

部長:「・・・だから何なのだ?」

管理人:「我々は「ひとり」ではないということですよ! たくさんの人格があれば、それだけ多角的なエントリを生み出すことが可能となるということです!」

部長:「大丈夫かなぁ・・・」

管理人:「大丈夫でしょう、きっと・・・ 死にはしないでしょうし。」

部長:「誰がだよ!(苦笑)」

26
7月

ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

事業本部長(以下、部長):「おお、出来たか! 並べて積み上げるとなかなか壮観だな。」

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制作担当者(以下、制作):「触ってみてください。まだ焼きたてのホカホカですから。(笑)」

部長:「あちちっ! 本当だ。 「出版社とは町のパン屋さんのようなもの」だと言った人がいるが、まさにそんな感じだな。」

制作:「ここにあるのは既に注文を受けた分ですので、余熱が取れたら全て出荷します。」

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部長:「そうか、なんか我が子を旅に送り出す親のような心境だな・・・ 可愛がってもらうんだぞ!」

制作:「「パン屋」じゃなかったんですか?(笑)」

販売担当者(以下、販売):「そういえば部長、懸案だった匿名配送の体制が整いましたよ。それによって決済手段も「クレジットカード」「ネットバンク」「代引き」とバリエーションが広がりました!」

部長:「おお、それは素晴らしい!簡単に説明してくれないか?」

販売:「はい、では主にお客様の立場からご説明します。
「匿名配送」とは、お客様が我らに知らせるのは「メールアドレスと注文内容」だけでよいというシンプルなもので、従来のように「住所・氏名・電話番号等々といった個人情報を一切伏せたままで取引ができるというものです。

匿名取引は、ヤマト運輸提供の「オークション宅急便」サービスを利用しますので、事前にそちらに登録(無料)が必要です。既に登録されている方は、「注文手続き」に進んでください。

●ヤマト運輸HPにおける事前登録作業
(既に登録されている方は、この作業は不要です)

1.「クロネコメンバーズ」に登録し、「クロネコID」を取得する。
※ヤマト運輸HP(http://www.kuronekoyamato.co.jp/)の右側メニュー中段の「新規登録(無料)」をクリックし、指示に従ってください。

2.取得した「クロネコID」でログインし、画面下部の「ネットオークションの荷物を安心して受け取りたい」をクリックする。

3.画面上部の「オークション宅急便IDをお持ちでない方は、こちら」をクリックし、指示に従ってください。

4.登録完了後、登録した住所に「オークション宅急便ID」がメール便で送られてくる。
※数日間かかります。

5.書かれている指示に従ってログインし、事前登録完了。

●注文手続き

1.ぶんちん堂 Web Shopにアクセスして品物を選ぶ。(説明を読んで検討するだけ)

2.画面左のメニュー中ほどのお問い合わせページを開く。

3.「お名前」欄にはニックネーム(またはダミーの名前)を入力する。
※システム上、「姓」「名」とも入力しないとエラーするため、どちらにも同じものを入力する
※「フリガナ」欄も同様。ムリヤリにでもカタカナで入力する

4.「メールアドレス」を入力する
※確認のため、2回入力する

5.「お問い合わせ内容」欄に注文内容(例:維摩経x1冊、無門関x1冊、金剛経x1冊)を記入し、画面下部の「確認ページへ」ボタンをクリックする。

6.表示された内容を確認し、OKなら画面下部の「送信」ボタンをクリックする。

7.入力したアドレス宛に、ぶんちん堂から「お問い合わせ受付」メールが届く。
※返信不要

8.しばらくすると、ぶんちん堂から、「注文内容の確認」メールが届く。

9.注文内容を確認し、OKであればその旨返信する。

10.しばらくすると、ヤマト運輸から「オークション宅急便承認依頼のお知らせ」メールが届くので、指示に従って「承認」し、手続終了。

●注文手続き終了後、受け取りまで
1.ヤマト運輸から「オークション宅急便お届けご案内」メールが送られてくる。
※配達情報の確認や受け取り日時の変更が可能。

2.受け取り。

以上です。」

部長:「・・・長いな。 結構な手間ではないのか?」

販売:「いや、最初に1度だけしなければならないヤマトHPでの登録作業(無料)がいささか面倒なだけで、その後は注文して2度ほど承認作業するだけですよ。」

部長:「費用面ではどうなんだろうな?」

販売:「登録作業は一切無料ですし、取引時に手数料として数百円程度追加されるだけです。詳しくはヤマトのオークション宅急便の解説ページをご覧ください。
下部に手数料の表がありますので。
ちなみに、イーバンク銀行を利用した場合は168円ですね。通常の振り込み手数料もそんなものですから、これは安いですよね。
ただ、代引きにすると420円かかるようですが。」

部長:「なるほどなぁ、それが個人情報保護の対価ということか。安いんだか高いんだか・・・」

販売:「それから部長、宅急便で送ることになりますので、その費用が別途かかります。30冊ぐらいまでで700円程度です。メール便の80円に比べると高いですが、翌日には受け取ることができますので早いですよ。」

部長:「うーん、1冊欲しいだけの場合、従来どおりなら1080円のところが、2000円ぐらいかかってしまうのか・・・ ニーズはあるのかなぁ?」

販売:「まぁ、それはお客さん次第ですよ。そもそも宅急便で送って欲しいということであれば、送料込みで1700円ぐらいになるのですから。」

部長:「それもそうだな。しばらく様子を見ようか。じゃあ、打ち上げ用のビールを買いにいくとするか!
経理! あとで領収書をまわすからよろしくな!!」

経理:「よろしくじゃないですよ、まったく! 損益分岐点は遠くなる一方ですねぇ・・・」

23
7月
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とある日の、ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

システム担当者(以下、シス):「ぶ、部長! 大変です!!」

事業本部長(以下、部長);「何だ騒々しい・・・ 近所迷惑だから静かにしなさい! そうでなくても共同住宅の一部に間借りしているのだから生活騒音には気をつけろといつも言っているだろう?」

シス:「は、はい。 それもそうなのですが、報告がしたいことがあります。このところ出版作業にかかりっきりであったため、ほぼ放置プレイ状態だった「超訳文庫」サイトのアクセス数が急増しているのです!先週末以来、平常時の10倍以上のアクセス数が続いているのです。こんなことは今までありませんでした!で、騒いでいたのです・・・」

部長:「おお、そうか! それは我らが出版部門が在庫を揃えた時と期を一にするな。 なんと喜ばしいことではないか! どうだ、営業担当よ、注文が殺到しているのではないかな?」

営業担当者(以下、営業):「いや・・・ まぁ、普通っていうか・・・ いやいや、それでもアレですよ。全く面識のない一般の方からの注文を受けましたよ。しかも4冊も。これは初めてのことです。Web Shop様様ですねぇ。なんだかんだ言って、これまでの顧客は全員「リアル知人」でしたから。」

部長:「なに!? それは凄い!! それとこの急激なアクセス増加は、何らかの関係があるのではないかな? システム担当者よ、生ログの解析を急ぎなさい!」

シス;「・・・部長、アクセス増の主因は、わりとすぐに判明しました。」

部長:「なんだ、どこの大手書籍流通業者のサイトからだ!?」

シス:「いやいや、2chですよ。」

一同:「!?」

部長:「・・・いやいや、そこは驚くところではないだろう? 「外部リンク」という観点から見れば、大手出版社であろうが学術サイトであろうが、エロサイトであろうが、マジメなブログであろうが、同じことだろう! まずはトラフィックの増加がなければ認知も進まないから、どれだけよいものであろうとも売れないのだ。その意味で、これは諸手を挙げて喜ぶべき事態ではなかろうか?」

営業:「・・・いや部長、「客層」ということもあるじゃないですか。いわゆる「ネラー」にコンバージョンが期待できるのかどうか・・・」

部長:「バカモン! 営業担当がそのような「色メガネ」で顧客を見てどうする!? 「ネラー」も我らも同じ人間ではないか! 少なくとも家の前に突っ立っている電柱よりは、顧客となる可能性が高いと、なぜポジティブシンキングできないのだ!?」

営業:「例えが悪すぎますよ! だれが電柱ですか・・・ まぁしかし、確かに認知されてナンボというのはそうかも知れませんね。 せいぜい波及効果に期待しておきますよ。」

部長:「そうだとも! ポジティブ、ポジティブ!!」

一同:・・・・・・ orz

制作担当者:「・・・いやいやいや、そんなこんなでも、ちゃんと読者がいるということを素直に喜びましょうよ。アクセス急増事件やフリーのお客様からの受注の陰に隠れて言いそびれましたが、既に前回注文者を中心に、40冊近い受注を受けているのですから。」

部長:「なんだと、本当か!?」

制作:「ウソついてどうするんですか。まぁ、品目が3種類になったので増えているという面はありますが、それでも制作物を読者の方に渡せるというのは、我ら担当者として冥利に尽きるところですよ。」

営業:「ああ、そうだったな。もっと常連さんのありがたみというのを噛みしめないとな。思いもよらず新規顧客が開拓できたことも、もっとはしゃいでもいいのかも知れないね。」

部長:「そうだとも! みんな、もっとはしゃげ!! 飲んで歌って騒げ!!(喜)」

シス:「さっきは「騒ぐな」って言っていたくせに・・・」

一同:「まぁ、いいか!」

夕刻、ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

事業本部長(以下、部長):「おお、ついにできたか!」

制作:「はい! ご覧のとおり、初回出荷分の10冊が完成しました!」

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部長:「これで我らが「超訳文庫」シリーズも3冊めを出すことができたわけだ。
いやぁメデタイ!!」

営業:「いや、完成したのは嬉しい限りなのですが、時間がかかり過ぎじゃないですかね?
頒布窓口の「Web Shop」は、5月末にリニューアル完了しているんですよ?
なのに永らく商品在庫切れでは、折角ついたお客さんも離れてしまいますよ!」

制作:「なんだと、この野郎!
作り手の苦労も知らんと好きなこと言いやがって!
ここまで漕ぎつけるのに俺たちがどれだけ苦労したか、知ってんのかよ!?」

営業:「あーん?なんだよ、苦労って?
折角仕入れた用紙をどんどんムダにしやがって!
原価が上がる一方じゃないか! ・・・なぁ、経理?」

経理:「はい、これまで1ページあたり10円を目安に価格設定してきましたが、制作部数が数十冊ということになると、その5倍でもおさまりません。
損益分岐点など、計画の立てようもないほど彼方です。」

部長:「・・・折角シリーズ3冊目が完成したのだから、もっと明るい話題をしようではないかい。
見てみろ、この背文字! 並べると壮観だぞ!」

制作:「部長がそれにこだわったことが、3冊目の完成が遅れた主因なのですよ!
元々、「金剛経」の原稿は60p程度でした。
ところが、最低80pないと、背が出せないのですよ。
で、どうやって増量するかで苦心するハメになったんじゃないですか!」

部長:「おっと、ヤブヘビだったか・・・
しかしまぁ、単品では出しようのなかった「般若心経」や、「不思議光菩薩所説経」も収録することができたし、漢訳原典も収録できたので、研究者にとって資するところ大なものとなったのではないかな?」

営業:「いや、これで喜ぶのは研究者というよりは「好事家」ばかりですよ!
そしてそんな連中は、誰の手も借りずにどんどん自分で資料を収集しています。
どっかの遺跡から新規に発掘された資料だというならいざ知らず、メジャーなものばかりではないですか!」

作家:「いや、「不思議光菩薩」の話を国内で訳している人はほとんどいないぞ。
これで差別化できないかな?」

営業:「それなら全文きっちり訳出してくださいよ!
原文と比べると端折りまくっているのがモロバレじゃないですか!」

作家:「いや、それは読みやすさ重視で・・・」

部長:「まぁまぁ、いいじゃないか。
何はともあれ、これで3冊とも在庫が揃った。
今日の作業はここまでにして、皆、ぱーっと飲んでくれたまえ!」

(一同、苦笑)

28
6月

夕刻、ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

事業本部長(以下、部長):「ううむ、雨か。
湿度が低すぎるとレーザープリンタの静電気がオーバーチャージになりやすくて心臓に悪いから、ちょっとぐらい湿り気があるのはありがたいのだが、用紙が湿気ってしまうと、こんどは超絶にカールするようになり、また印刷の歩留まりが下がってしまう・・・
おい、どうだ、調子は?」

制作:「まずまずです。原稿や体裁などのノウハウが確立した「維摩経」に関しては、ご覧の通り10冊以上の在庫が積みあがりました。
「金剛経」に関しては、当初予定していなかった「般若心経」と「不思議光菩薩所説経」に加えて、それぞれの漢訳原典を同時収録することになったため、作家に前書きの書き直しを依頼せねばならず、原稿が出揃ってから目次なども調整していたため、今ようやく製本見本が一冊あがったところです。
これから最終の仕上がりチェックをし、問題がなければ本格的に印刷・製本作業に入ります。」

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部長:「おお、それは素晴らしい!
その調子でどんどん頼むよ!!
ところで2巻目の超訳・「無門関」はどうした?」

制作:「・・・実は誠に申し訳ないのですが、既に完成していた原稿のうち、目次ページのデータを作家が酔っ払った勢いで失ってしまったのですよ。
さらに不幸なことに、目次ページに関しては本部でもバックアップを持っていなかったため、作り直さなければなりません・・・」

部長:「なんだと!?
すぐにやり直させなさい!」

制作:「はい、既に再作成の依頼をしています。
ところが、本文に書き直したい部分がかなり発見されたとかで、作家が目次以前に内容全体の見直しに入ってしまったのです。
確かに初版の原稿を書いたのはだいぶ前になりますから、今の彼から見たら間違いだらけで我慢ならない部分も多かろうというのはわかるのですが・・・」

部長:「ううむ、また中途半端なことを・・・
原稿はいつになりそうなのだ?」

制作:「全く不明です。
初版が2冊残っていますから、いざとなればそれを・・・」

部長:「改訂版が製作進行中なのを知りながら、いわば旧版を出荷するというのも良心の呵責を感じるな・・・
ともかく、作家には急がせなさい。
どうせ100%のものなんか、いつまでたってもできやしないんだから、適当なところで印刷に回すように強く言っておけよ!」

制作:「了解しました。」

営業:「お願いしますよ。モノがなければ我々は仕事にならないんですからね。」

部長:「そうだとも。
・・・あれ?印刷担当者はどこへ行った?」

制作:「腹がへったとかで、メシを食いに行っちまいました。
この時間からだと、恐らく酒が入ってしまうと思うので、今日はもうここまでですね。」

一同:「やれやれ・・・」

夕刻、ぶんちん堂・書籍出版事業本部にて。

事業本部長(以下、部長):「諸君、お疲れさま! 今、「超訳・維摩経」の増補改訂版が完成した。これでようやく、半年以上も欠品していた書籍版「超訳・維摩経」を再び世に問うことができる。これも全て諸君らの努力のおかげだ。本当にありがとう!」

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部長:「今回特筆すべきは、背文字が入ったことだな。見てみろ!俄然、それっぽいぞ!(喜)」

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部長:「それに裏表紙を見ろ! ぶんちん堂のロゴマークだ、可愛いだろう? 古代文字の金文の「文」を図案化したものだ。簡単そうに見えるだろうが、結構苦労したんだぞ。」

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部長:「おまけに本文の文字を一まわり大きくした。高齢化時代に優しい紙面となったかと思うが、どうだろう?」

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部長:「・・・どうした?なんかテンション低いみたいだが。」

営業:「・・・いや、完成したのは素直に嬉しいと思いますよ。
ただ、あれだけの時間と労力を費やして、やっと6冊作れただけというのがちょっと。」

部長:「いいじゃないか、最初は6冊でも。
原稿はもとより資材も機材も揃っているし、なによりも制作ノウハウが確立できたわけだから、あとは印刷・製本の作業さえすれば、いくらでも刷り増せるだろ?」

制作:「いやいや、気軽におっしゃいますけどね。各工程毎に、まだ課題山積なのですよ。」

部長:「何が問題なんだ?」

制作:「なによりも、印刷工程です。
今回の作業のために両面印刷可能な高速プリンタを導入して下さったことは、本当にありがたく思っています。
おかげでゲラ刷りは一瞬で終了するようになり、レイアウトがとても楽になりました。」

部長:「いいじゃないか。」

制作:「問題は用紙です。
通常のコピー用紙は芯が印刷方向に対してタテに入っている、いわゆる「タテ目」です。
ところが、超訳文庫用に大量に仕入れた書籍用紙は、「ヨコ目」なんですよ。
おまけに相当に薄手です。
すると何が起こると思いますか?」

部長:「いや、なんだろう。初版のときはそんなに問題なかったハズだが?」

制作:「用紙が詰まってしまうのですよ!
今のプリンタは本当に優れものなのですが、紙送りがキッチリした機構となっていることが仇となって、表面は大丈夫なのですが、裏面を刷ろうとしますと、とても嫌な音を立てて詰まってしまうのです。
見てください。なんとか詰まらずに出てきたところで、こんなんですよ。」

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部長:「うーむ、確かにこれでは・・・」

制作:「通常の方法だと、ほぼ90%以上の確率でこうなっていたのですが、我々は長時間かけて研究・協議を重ね、ついにロスを10%以下にまで減らすことに成功したのです。
今回はこのブレークスルーによって、生産装置をフル稼働することができ、ようやく何冊か完成するところまでこぎつけました。
それでも歩留まりはまだとても悪く、印刷担当者の負担はかなりのものです。」

部長:「うーむ、それはしかし、連続印刷しようとするからなのであって、片面印刷後しばらく静置して紙の「コシ」が戻るのを待ってから裏面を印刷するようにしたらよいのではないかな?」

制作:「そんなことはとっくにやっています!その結果がこれなのです。
部長、用紙を変更しましょう!
そうすれば自動両面印刷ユニットも使用可能になりますし、紙詰まりや静置、仕上がり確認などにかかっている時間・資材・手間を大幅に削減できます。
・・・何よりも、印刷ボタンを押すときの精神的負担がなくなれば、こんなに素晴らしいことはないです。」

部長:「うーむ・・・ しかし、手触りといい見た目といい、書籍用紙に勝るものはない。
また、この版型をとる以上、ヨコ目を採用せざるを得ない。
紙厚は、確かにもうちょっと厚手でもよいかも知れないが・・・」

仕入:「部長! その議論は一年前に初版を制作するにあたって散々したではありませんか!
印刷して配布するだけなのであれば、通常のコピー用紙で充分です。
入手が容易で最も安価ですし、紙詰まりもありません。
で、ホチキスで留めるだけの平綴じ製本とすれば、あれこれと機材を導入する必要もなく、どんどん刷り増すことができます。
それでも部長は「安っぽい」のひと言でそれを却下し、書籍用紙の導入を決められました。
で、プリンタの標準印刷サイズであるA4では「サイズが大きすぎて携帯に不向き」だという理由でそれを半分にしたA5サイズの版型にこだわられました。
印刷に適しているのはタテ目ですが、それを半分にして横置きにすると、ヨコ目となってしまい、ページがめくりにくく、背の糊もうまくつかなくなってしまいます。
それが我々が「仕方なく」ヨコ目用紙を採用した理由なのです。
部長!今からでも遅くありません。
A4が横置きで印刷できる大型プリンタを導入しましょう!」

部長:「いや、買う金も置く場所もないよ!
やっぱりタテ目でないとキビシイのかなぁ。」

制作:「はい!」

部長:「営業担当よ、お前はどう思う?」

営業:「通常のコピー用紙をホチキス留めしたものなど、誰が金を出して買うもんですか!
書籍には書籍用紙、ここは絶対譲れません。
手触りやら見た目やらが全然違います。
費用も、前回のように数千枚仕入れれば、一枚辺りのコストはそれほど変わりませんよ。」

部長:「お前がそんなことをいうから、前回大量にこの用紙を仕入れたんじゃないか!
用紙を厚手に切り替えたくても、この在庫分がなくなるまでできないし・・・」

制作:「現在の用紙在庫は、約100冊分です。」

部長:「・・・しょうがない、多少のロスは諦めて、作るだけ作っちまうか。
「無門関」と「金剛経」の原稿もあるから、それぞれ30部作って、そこで用紙変更を再検討しよう。」

経理:「それが「全部売れたところで」ですよね?」

部長:「・・・」

作家:「ところで原稿料はいついただけるのでしょうか?」

部長:「「全部売れたところで」だよ。」

(一同、苦笑)

部長:「ところで販路の拡大はできておるのか?」

販売:「はい、「Web Shop」のリニューアルは既に完了しております。
あとは品物の入荷を待つばかりです。」

営業:「ケータイ対応は?」

販売:「既に実装しているのですが、動作検証作業中です。」

営業:「決済・配送手段の多様化は?」

販売:「固定費のかからない範囲内で検討中です。
個人情報保護等の観点から、購入者の氏名や住所をお尋ねすることなく、メールアドレスだけで発注・配送できる仕組みを目指しています。
また、ネットバンキングやクレジットカードなど、お客様にとって便利な決済方法も、あわせて検討中です。」

営業:「・・・今できることは?」

販売:「銀行振込による決済、氏名住所をお尋ねしての配送のみです。」

(一同、苦笑)

部長:「まぁ、それはそれでいい。
ともかく目の前の印刷・製本作業をしてしまわないと、何も前に進まないということが、よくわかった。
それはまぁ、明日以降やるとして、今日は思いっきり飲んでくれたまえ!」

一同:「そうでなくても、毎晩思いっきり飲んでるじゃないですか!」