超訳【金剛経】
第16話 イジメられてもメゲることはない(能浄業障分)
2008.11.29
ブッダは、さらに続けます。
「だからスブーティよ、今私が話したことを覚えて、研究し、理解し、他の人に詳しく説明したりするような人は、この先そんな人たちによってバカにされたり悪口を言われたりすることがあるかもしれない。
しかし、それに対してムカついたりガッカリしたりする必要は全くないのだ。
なぜならば、それこそが、基本的に不可能であるはずの「前世の罪悪」を消滅させることができる、唯一の方法だからだ。
人からバカにされたり悪口を言われたりするのは、どのような人か?
それは、「前世における行いが悪く、本来なら人間未満の存在に生まれ変わるハズだったのに、たまたまラッキーで人間の姿に生まれることができた」という事情のある人だ。
「過去の悪事(前生における過失)は決して取り返しがつかない」というのが因果の流れにおける大原則なのだが、ただひとつ、他人からバカにされたりしてイジメられることを通じてのみ、それを打ち消すことができるのだ!
ああ、私はありありと思い出す。
無限にも近い過去に、ディーパンカラ(然燈)という名の大師匠(=仏)がいた。
それよりもさらに遠い昔、数え切れないほどの師匠たちがいた。
そして私は無限にも長い時間を生き、あるいは生まれ変わり、歴代の師匠たちに全身全霊を尽くして奉仕し続けてきた。
それでもだ、スブーティ。
例えば今から500年後とかの遠い未来、今私が話したことを覚えて、研究し、理解し、他の人に詳しく説明したりするような人がいたとするならば、それによる効果は何百倍、いや百x千x一億x一兆倍よりも多いのだ。
多いどころか、その莫大さは、ありとあらゆる計算や計測、類推や比喩を超えたものとなるのだ。
もちろん私は万能なので弁舌をつくしてそれを解説することができるのだが、そんなことをしたらほとんどの人は錯乱してしまい、余計に信じてもらえなくなるだろう。
スブーティよ、私が今している話は、つまり「不可思議」だ。
それゆえに、この話の持つ効力も、まさに「不可思議」なのだよ。」
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【中国武術論】

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