超訳【金剛経】
第21話 「教え」も「人」も存在しない (非説所説分)
2008.12.7
ブッダは、言いました。
「ところでスブーティ、もしも「真実と一体化」することができた人がいたとしたら、その人は、私は、君たちに教え示した」などという考えをおこすだろうか?」
スブーティ:「いいえ、先生、そんなことがあるわけがありません。
・・・なんか、さっきも似たような会話をしたような気がしますが。」
ブッダ:「はっはっは!そうだとも。
もし、「真実と一体化した人」が「教えを示した」などと言うヤツがいたなら、そいつはとんでもないウソつきなのだ。
ウソをついているつもりがないのだとすれば、救いようのないバカだ。
私を褒めるつもりが、悪口になってしまっていることに気づかないのだから。
いいか?
くどいようだが、「究極の真実」は説くことも聞くことも不可能だ。
だから、「教える」とか「示す」などということがあるわけがない。」
それを聞いたスブーティは言いました。
「・・・そうでしたね。
しかし先生、大カリスマである貴方から直接お聞きしている私たちならともかく、こんな話が未来の人に信じてもらえるとは思いにくいのですが・・・
今、先生がお話になられた内容は、覚え間違いや理解不足の人たちを仲介することによって、どんどんおかしくなっていくでしょう。
そして500年もしないうちに、もうまるでかけ離れたものになり、人々の生活も心もまるっきり変化してしまうに違いありません。
そんな人たちに今のお話を聞かせたところで、怒り出したり無視したりされこそすれ、信じてもらえるなどとは、とても思えないですよ。」
ブッダは言いました。
「スブーティ、だからそういう言い方をするなと言っているだろう!
「未来の人」などいやしないのだ。
なぜならば「人」は、本当は「人」ではないからだ!」
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