東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

updated 2022-06-20

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超訳【維摩経】

第44話 「超菩薩」、ランチをゲットする

2007.10.31

燦然と光り輝く「超菩薩」が超光速で上空の彼方へと飛び去るのを唖然としながら見守る一同。
すると次の瞬間、居並ぶ皆の「脳内ビジョン」に先ほどの「超菩薩」が飛来しました。
そして「超菩薩」は、誰だかよくわからないけれども「仏」っぽい人の足をなでさすりながら、先ほど維摩から命じられたとおりのセリフを言いました。
その場に居合わせたアチラ側の世界の菩薩たちが口々に話しかけます。
「おお!・・・凄いですね。
こんなもの凄い「菩薩」は初めて見ました。
その「シャバ」とか呼ばれる世界は、いったいどこにあるのでしょうか?
「はいつくばっているチンケな連中」というのは、具体的にはどんな連中なのでしょうか?」
その世界の主である香積仏とおぼしき仏が口を開きました。
「うむ、この世界から真下に向かって360x10の42乗光年をさらに42倍した数の国を通過したところに、「シャバ」と呼ばれる世界はあるのじゃ。
そこはどうしようもなく汚れきったサイアクの世界なのじゃが、「シャカ」と呼ばれる「仏」は、それでもなかなか頑張ってチンケな連中の相手をしてやっておるようじゃ。
彼に仕える菩薩のひとりに「維摩」というものがいるのじゃが、彼は「不可思議解脱」と呼ばれるミラクルパワーを発揮して、居並ぶボンクラどもに色々とものごとの道理を説明している真っ最中なのじゃ。
この「超菩薩」も、その一環というわけじゃな。」
アチラ側の菩薩たちは、さらに質問しました。
「その「維摩」とかいうオッサンの力はもの凄いですね!
いったいどうやったら、こんなド迫力の「超菩薩」を召喚できるようになるのですか?」
香積仏は言いました。
「そうじゃな。コイツはまさにド迫力の素晴しさじゃな。
維摩のオッサンは、思い通りにこのような「超菩薩」を召喚し、ありとあらゆる場所・シチュエーションに対応することができるのじゃ。
ここはひとつ、彼の依頼に応えてやろうではないか!」
そして「匂い」でできた器に「匂い」でできたご飯をたっぷりと盛り付けると、「超菩薩」に手渡しました。
その時、居合わせたアチラ側の菩薩たち900万人は、一斉に言いました。
「待ってください!
私たちもその「シャバ」とかいうロクデモナイ世界に行ってみたいです。
そこでその「シャカ」とか呼ばれる仏さんを拝んだり、維摩と呼ばれるオッサンや、その他諸々の菩薩たちと会話してみたいです!!」
香積仏は言いました。
「うむ、良いじゃろう。行くがよい。
ただ、その前に、オマエたちのその全存在から発する「匂い」を隠すのじゃ!
シャバ世界の方々には、オマエたちのその「匂い」は刺激がキツ過ぎる。
それから、その「匂い」だけで構成された「本来の姿」もダメじゃ!
シャバ世界の方々が自らの姿を恥じるような思いをさせないように配慮しなさい。
また、オマエたち、シャバ世界に行って色々見聞きしても、決して「うへぇ、しょうもねぇ!」とか、「ダセェ・・・」とか、バカにする心を起こすなよ!?
あの世界はきっと、どうしようもない状態になっており、オマエたちから見れば、実にくだらないことになっておるのに違いないのじゃが、それは決してその世界が本当にくだらないからではなく、「シャカ」が、説明の都合上、その本来の素晴しさのほとんどを隠してしまっているだけなのじゃから。」

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