超訳【維摩経】
第45話 「超菩薩」、極上ランチを持ち帰る
2007.11.30
維摩のサイキックパワーによって創り出された「超菩薩」は、お椀にテンコ盛りとなったランチを受け取ると同時に消滅しました。
と思った次の瞬間、「超菩薩」は維摩の部屋に出現しました。
アチラ側の菩薩、900万人も一緒です。
維摩は顔色ひとつ変えずにグレートな椅子を900万脚追加出現させると、アチラ側からのお客様に座っていただきました。
超菩薩が持ち帰った極上のランチを維摩に差し出します。
そのランチから立ちのぼる美味しそうな匂いは凄まじく、あっという間に室内を満たし、家の外まであふれ出すとヴァイシャリー市中を満たし、ついにはこの世界中がそのランチの匂いで染めあがりました。
ヴァイシャリー市在住の金持ちや偉いさん方は皆、その匂いを嗅ぐと身も心も爽快になり、ウキウキと楽しい気分になりました。
ヴィシャリー市長の月蓋(がつがい)さんは、とても我慢できなくなって、8万4千人の従者とともに匂いをたどって維摩の家までやってきました。
維摩の部屋をのぞきこんだ月蓋市長はビックリ仰天。
それはそうです。
維摩をはじめ、500人の大弟子たち、8千人の菩薩たち、帝釈天や梵天、四天王などの古代神たちと天人や人間たち総勢10万人に加えて、アチラ側の菩薩900万人などが、人数分用意された67万2千キロメートルもある椅子の上に座って、一室にひしめきあっていたのですから。
月蓋市長たちは、全員に挨拶すると、部屋の隅っこに行ってかしこまりました。
同じように、土地神や虚空神などの神々、物質世界に生きる天人たちも皆、ランチの匂いにつられて維摩の部屋に集まってきました。
そこで維摩は言いました。
「さて、皆の衆!
これが真実と一体化した者がいつも食べている極上のランチじゃ!
喰え!大いなる慈悲の味をかみ締めるがいい!
とはいえ、がっつくのではないぞ。消化に悪いからな。(笑)」
- 以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
- 画面左上の「超訳文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 超訳文庫トップページへ戻る
- メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る
中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
【中国武術論】

古典翻訳ではない、自作の文章を掲載します。「超訳文庫」の趣旨から外れますが、ご容赦くださいませ。
ぶんのすけ文集

ぶんちん堂 Web Shop

超訳文庫のコンテンツを書籍化して頒布する企画です。
PC画面もいいけれど、じっくり読むにはやっぱり「本」がよいという方にオススメです。
目に優しく手ざわりのよい書籍用紙を使用。A5サイズです。
編集はもとより印刷・製本に至るまで完全に自家製ですので、仕上がりは工業製品には劣りますが、「手作りの味」だと思っていただければ幸いです。