東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

updated 2022-06-20

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超訳【維摩経】

第52話 アーナンダ、質問する

2007.12.9

アーナンダは質問しました。
「あの・・・さっきからしているこのムッチャいい匂いは、いったいなんでしょうか?」
世尊:「ああ、これかい?これはアレだよ、お見舞いから帰ってきた菩薩たちの毛穴から噴出している匂いだよ。」
シャーリプトラが口をはさみました。
「私の毛穴からも匂いが出ていますよ!」
アーナンダはシャーリプトラにたずねました。
「毛穴から匂い!?なんでまたそんなことになったのでしょうか?」
シャーリプトラ:「いや、実はですね、維摩のオッサンが超能力を駆使して、異次元世界の仏さまの残飯をおすそ分けしてもらったのですよ。
で、それをみんなで食べたら・・・こうなりました。」
アーナンダは維摩にたずねました。
「この匂いは永遠になくならないのでしょうか?」
維摩:「いやいや、そんなことはないぞ。
そうだな、食べたものが消化されきったら、匂いはしなくなるじゃろう。
逆に言えば、腹の中にたまっている間は、ずっとこの匂いがするハズじゃ!」
アーナンダ:「消化にはどれぐらいかかるのでしょうか?」
維摩:「そうじゃな、平均すると一週間ぐらいかのう。
ただし、「教えられたことを忠実に実行するだけ」というレベルの者が食べた場合は、悟りの入り口を見つけるまでは消化されないぞ。
また、既に悟りの入り口を見つけている者が食べた場合は、ちゃんと解脱することができた時、ようやく消化されるのじゃ。
同じように、大いなる悟りを求める心を持たないものは、その気を起こした時に、すでにその気を起こしている者は、最早何も得るものはないということが理解できた時に、すでに最早何も得るものはないということを理解している者は、「次は仏に生まれ変わる」というレベルになった時、ようやく消化されるということになっておる。
たとえば薬が体内に入った場合、病原菌や毒を無力化してから体外に排出されるようなもんじゃな。
このメシを食べるということはな、それと全く同じことなんじゃ。
食べたものが持っていた、ありとあらゆる悩みや苦しみが無力化された後、はじめて消化され終わるのじゃよ。」
アーナンダは言いました。
「マ、マジですか!?・・・凄いですね!
しかし、ご飯を食べることが仏のハタラキと同じような効果を発揮するなんて・・・」
世尊は言いました。
「いやいや、そういうもんだよ。これは全くそのとおりなんだ。
ある世界では、仏は光だけを使って大衆を教化する。
またある世界では、仏は複数の菩薩を使役して大衆を教化する。
またある世界では、仏はサイコパワーで超菩薩を召喚して大衆を教化する。
またある世界では、仏は菩提樹を利用して大衆を教化する。
またある世界では、仏は衣服や寝具などによって大衆を教化する。
同じように、ある世界では、メシを食わせてやることで大衆を教化したり、庭や林や展望台を使ったり、色々な顔の表情を使ったり、仏自身の身体を使ったりして、大衆を教化するのだ!
虚空によって仏のハタラキをなしとげることだってある。
生命のあるものは全て、これらによって正しい道に導かれることになるのだ。」

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