ANCIENT CHINESE THOUGHT
論語
別訳『論語』
堅苦しい教訓集という先入観を離れ、孔子と弟子たちの人間味あふれる対話を読み直します。
ABOUT THIS WORK
先生と弟子たちの、にぎやかな教室。
『論語』は、孔子と弟子たちの言葉や対話を集めた書物です。悩み、叱り、笑い、ときには弱音もこぼす。二千年以上読み継がれてきた言葉を、身近な会話として味わう七篇です。
ANALECTS · 01
病気とお祈り
2006.10.19
孔先生が病気で寝込んでいると、弟子の子路くんがお見舞いにやってきました。
子路:「先生!ここはひとつ、私がお祈りをしてさしあげましょう。」
孔子:「お祈り?なんだいそりゃ。」
子路:「「誄(るい)」という本に書いてある、天地の神々へのお祈りのことですよ!」
孔子:「・・・それならもう随分昔から、自分でやってみているよ。」
原文(述而篇より)
子疾病、子路請祷、
子曰、有諸、
子路對曰、有之、
誄曰、祷爾于上下神祇、
子曰、丘之祷久矣、
ANALECTS · 02
遠くへ行きたい
2006.10.19
孔先生が弟子たちの前でグチりました。
孔子:「誰も私の言ったとおりにしてくれない。
ムカつく!
もうね、イカダにでも乗ってどこか海の彼方にいっちまおうかと・・・」
子路:「その時は是非わたくしめをお供に!!」
孔子:「・・・冗談だよ。真に受けんなよ。」
原文(公冶長篇より )
子曰、道不行、乘桴浮于海、從我者其由與、
子路聞之喜、
子曰、由也好勇過我、無所取材
ANALECTS · 03
もうダメぽ・・・
2006.10.20
ある時、孔先生はすっかりやさぐれて、皆に聞こえるように大声で独りごとを言いました。
孔子:「聖人が世に現れる時には鳳凰が出現するという話だが、そんなもの、ちっとも出てきやしないじゃないか!
背中に宇宙の真理を表す図が書いてある馬が黄河から飛び出してくるなんてことを言いふらしているヤツもいるが、いったいどこにいるんだ?そんなもの・・・
ああ、もうダメぽ・・・orz」
原文(子罕篇より)
子曰、鳳鳥不至、河不出圖、
吾已矣夫、
ANALECTS · 04
喰う・寝る・あそぶ
2006.10.21
孔先生は嘆きました。
「来る日も来る日も、食っちゃ寝、食っちゃ寝。
ルーチン作業を繰り返すばかりで頭なんて空っぽ。
どーしょもないよね、全く・・・
ギャンブルやゲームを馬鹿にする人たちがいるけど、それにハマっている奴らの方が、やらない奴らよりまだマシだよ。
頭を使っているだけ・・・」
原文(陽貨篇より)
子曰、飽食終日、無所用心、難矣哉、
不有博奕者乎、爲之猶賢乎已、
ANALECTS · 05
あの野郎、やっちまえ!
2006.10.21
あの季とかいうヤツはな、家老の分際で主君たる周公よりもよっぽど金持ちなんだ。
にも拘らず冉求(ぜんきゅう)の野郎、オレの弟子のくせに季の手先となって、さらにヤツの私腹を肥やしているとか。
もう、あんなヤツぁ、破門だ!
おい、てめぇら!
構わないから、やっちまえ!!
原文(先進篇より)
季氏富於周公、而求也爲之聚斂而附益之、
子曰、非吾徒也、小子鳴鼓而攻之、可也、
ANALECTS · 06
ああ、アノ人ね
2006.10.29
子路(しろ)くんが石門という場所で一泊した時のことです。
既に門限を過ぎていたので、門は閉じていたのですが、子路くんが呼ばわると門番がでてきました。
門番:「あんたはどこの誰だい?」
子路:「オレ様は、あの偉大なる孔先生の関係者だ!」
門番:「孔先生?ああ、あのダメなことがわかっているのにやろうとしている人ね。(笑)」
原文(憲問篇より)
子路宿於石門、
晨門曰、奚自、
子路曰、自孔氏、
曰、是知其不可而爲之者與、
ANALECTS · 07
不啓不発(こんなヤツには教えてもムダ)
2006.11.4
孔先生は言いました。
「今にも爆発せんばかりの情熱があるというヤツでなければ、何も教えたくない。
必死に努力しているのにうまくいかず、イライラしているというヤツでなければ、助け舟も出さない。
そもそも、ひとつの事柄から多くを学び取るぐらいのヤツでなければ、いくら教えてもムダである。」
原文(述而篇より)
不憤不啓、不悱不發、
舉一隅、不以三隅反、則不復也、