東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【法華経】

誰からも好かれる姿を持つ者

2008.3.24

遠い昔、「一切衆生喜見」(誰からも好かれる外観)という名の菩薩が出現し、死ぬほどハードな修行の後、遂にある境地(能力)を獲得しました。

その境地(能力)こそ、名づけて「現一切色身(ありとあらゆるものに変身できる)三昧」と呼ばれるミラクルパワーだったのです。

そして彼は、こう思いました。

「私がこの境地に至ることができたのも、仏様のおかげである。
そうだ、お礼をしなくっちゃ!」

というわけで、超能力を振り絞って色々なものに変身したのですが、彼は特に「香(匂い)」の変化を得意技としていて、「数グラムでこの世と同じ価値がある」というぐらい極端に高価なお香の匂いも惜しげもなく再現してみせました。

で、能力の限りを尽くした挙句、こんなことを考えます。

「ダメだ! こんなんじゃ全然ダメだ!!
足りない! 全然足りない!!
もっと・・・ もっともっと、もっともっともっとヤレるハズだ!
そうだ、あの方法があるぞ!!」

そして彼は行動を起こし、良い香のする樹脂(香木など)を手当たり次第にムシャムシャと食べ始めました。

さらに香油の類をガブガブと飲みまくること12年。

遂には頭から香油をかぶって全身テカテカになったところで、なんと自分に火をつけました。

まばゆい光に包まれて大燃焼する彼の全身。

彼はその後1200年間も燃え続け、燃え尽きると同時に日月浄明徳という仏が治めている国の王様の家に転生しました。

結跏趺坐した状態で生れ落ちた彼は、開口一番こう言いました。

「父さん、母さん、私は大変な苦労と努力の結果、ようやく日月浄明徳仏のいる世界にくることができました。
・・・というわけで、行ってきます!!」

唖然とする親を尻目に、仏様のところに直行する生まれたての彼。

日月浄明徳仏のところに速攻で到達した彼は、仏様をひと目見るなり、こう声をかけました。

「おやおや、仏さま、まだ生きていたんですか!」

そして日月浄明徳仏は、次のように即答したのです。

「おお、来たか! 布団をしいておくれよ。 今晩死ぬからさ!」

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