東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
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updated 2023-01-25

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別訳【旧約の預言者たち】

2.モーゼ

2004.10.11 「出エジプト記」 読書ノート

 
約120pの本。注釈が100pぐらい。
いわゆる「祭司資料」に対して、「ヤハウェ資料」といわれるものらしい。
 
さて、「創世記」においてたくさんの人間がエジプト周辺に生じたわけですが、どんどん、どんどん増えて、もうわけがわからなくなってきて、「ヤハウェ」の名も忘れられそうになっていたころ、モーゼが生まれます。
 
モーゼはイスラエルの末裔、ヘブライ人として生まれますが、丁度その頃、エジプトではヘブライ人はエジプト人に奴隷としてこき使われる立場になっていました。
 
で、イスラエルの子らの苦役による叫びがようやく「神」の所に達し、ヤハウェさんは使いをモーゼに送ります。
 
いきなり「燃え上がりつつも燃え尽きることの無い茨」を出現させ、モーゼの注意を引くヤハウェさん。
 
で、例の調子で言います。
(関西弁の方がニュアンス出しやすいので、方言化することをお許し下さい)
 
「靴脱げや、コラ!誰の前や思とんねん!」
思わずビビって靴を脱ぎ、顔も覆うモーゼ。
 
ヤハウェ:「だいぶやられとるらしいやないか。
イスラエル人全部つれて、エジプトから出たらどないや?」
 
モーゼ:「え?!なんで?」
 
ヤハウェ:「俺を誰や思とんねん。「あらんとしてあるもの」ヤハウェやで!
お前は素直に言うことを聞いて、エジプトから出て、その後で俺に捧げものをくれたら、それでええんや!
そのための手助けなら、なんでもしたるわ!」
 
モーゼ:「いや、俺、口下手やし・・・」
 
ヤハウェ:「しゃーねーなぁ。
ほな、色々魔法のアイテム貸したるさかい、これで相手ビビらせたれや!」
 
・・・その後は、もう有名な話なので、皆さんご存知だと思いますが、まぁ、さすが、自分でも「妬みが強い」「怒りは千倍にして返す」などと自覚している「ヤハウェ」さんだけあって、温厚なモーゼの思惑をはるかに超えて、物凄い嫌がらせ(ナイル川を含む全ての水を汚れた血として飲めなくする。川から大量の蛙を出現させ、家の中にまで送り込む、等々)を繰り出しては、イスラエル人の敵対者をいじめまくります。
 
挙句には、「自ら手を下して、全敵対者を一掃することもできたんだが、お前の顔をたてるために我慢してやった」とまで言い出す始末・・・
 
で、まぁ、海を割ったりとかして(追ってきたエジプト軍はもちろん全滅・・・)エジプト脱出は成るのですが、モーゼがヤハウェに呼び出されてシナイ山にしばらくこもっている間に(かの有名な「十戒」の石版を授与されて、解説を受けていたんですけど)、麓で待たされている人たちは暇を持て余してしまい、一部の人間が、禁じられた「偶像崇拝」を始めてしまいます。
 
これを知ったヤハウェさん、大激怒。
「即、全員殲滅!!」
 
これにはさすがに温厚なモーゼさんもビビり、必死になだめます。
「折角、苦労してエジプトから連れてきたのに、全滅させちゃったら意味ないじゃないっすか!」
 
で、なんとか、偶像崇拝していた3000人を打ち殺すだけで(随分多いですが・・・)、その場を収めましたとさ。
 
いやぁ、YHWHさんて、ほんと恐ろしいですね・・・

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