東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
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updated 2023-01-25

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別訳【旧約の預言者たち】

4.ダニエル

2004.10.18 「ダニエル書」 読書ノート

 
確か、旧約にはイザヤ、エレミヤ、エゼキエルら、三大メジャー預言者の他に、ダニエルさんとかもいたよなぁ、でも本がないなぁ、と思い、聖書の原典にあたってみたらいました。ダニエルさん。
 
20pしかありませんでした。そりゃ、いくら岩波でも一冊にできないって・・・
 
順番的にはエゼキエルさんの直後ぐらいで、バビロンの王ネブカドネツァル(発音しにくい・・・)が、ユダ国に侵攻し、制圧した時の話のようです。
 
ネブカドネツァル王は、それなりに分別のある人だったようで、捕まえてきたユダ族のなかでも、容姿端麗で、才能豊かなものは、それなりに処遇しました。
 
で、その中でも抜きん出ていたのが、ダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの4名で、特にダニエルは、どのような夢や幻をも解くという、「フロイトの先駆け」みたいな能力を持っていたため、一目置かれていました。
(上記の4人は、(問答などにおいても)ネブカドネツァル王に仕えている占い師や祈祷師の10倍は優れていたとのことです)
 
で、うまくいっていたのですが、ある日ネブカドネツァル王は何度か夢を見て不安になります。
 
国中の占い師や賢者を呼び出して、自分の見た夢を告げずに、意味を解釈するよう求めます。
 
んな無茶な・・・ということで皆困っていると、王は激怒し、国中の知者を皆殺しにするように命じました。
 
殺されては適わないので、ダニエルさん、「神」(恐らくYHWH?)に預言を授かり、見事に王の見た夢と、その意味を解釈して見せます。で、王様は恐れ入って、ダニエルさんを知者の長官に任命するとともに、バビロン全州を治めさせたそうです。
 
・・・なんだか、前出のエレミアさんが気の毒になるほどの幸せぶり・・・
 
まぁ、万事その調子なのですが、「ユダヤ人のくせにバビロン州を治めている」のが気にくわなかったカルデア人が、王に讒言をはかります。「王様の命じた神に仕えていないユダヤ人3人がいる」と。
 
で、例によって激怒した王は、普段より7倍も熱く燃やした炉に3人を放り込みます。(あまりの熱さに、3人を放り込みに行った者たちまで焼け死んだそうです・・・)
 
ところが、3人は、まったく焼かれることなく自由に炉の中を歩き回り、出てきた時も、火のにおいすらしていなかったとのこと。王はすっかり恐れ入り、その3人を更に高いくらいにつけたとのこと。
 
まだまだありますが、どれもこれも、如何にダニエルが優秀だったかという話ばかり。
(というより、王様が理解のある人物だったのですね)
 
非常に不敬な感想ですが、ちょっと「抹香くさ」すぎます。
 
言葉を変えるなら、ダニエルさんの人間味が感じられません・・・

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