東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

HOME > 第28話 天女、「女」について語る

超訳【維摩経】

第28話 天女、「女」について語る

2007.3.4

シャーリプトラは言いました。

「・・・いやはや、まったくたいしたもんです。
というかさ、それだけの能力があるんだったら、女なんてやめて男になればいいのに。できますよね? そのぐらい、楽勝で。」

天女はあきれ顔で言いました。

「あらあら、何を言うのかと思ったら!
実は私は12年間かけて「女」とは何かということを追求してきたのですが、結論から言うと、よくわからなかった、というか、どうやらそんなものは実在しないのよ。
「女」が存在しない以上、「女」をやめるとかやめないとかいう議論は全く意味がないのじゃないかしら?
あなたは例えば、幻術師が作り出した幻の女のところへ行って、「なんで男にならないの?」とか言うのかしら?」

シャーリプトラ:「いやいや、ちょっと待ってください。
それは違うでしょう? 幻は幻です。
いまさら変化のしようもないじゃないですか。」

天女:「でしょー? 幻は幻なのよ。
全ての事柄も、また同じことなの。
「理由」なんてありゃしないわ!!」

次の瞬間、シャーリプトラと天女の姿が入れ替わりました。

天女の姿のシャーリプトラ:「ぐ、ぐおっ!?」

シャーリプトラの姿の天女:「はーい、そこのあなた。
女なんてやめて、男になっちまいなよ!」

天女の姿のシャーリプトラ:「え!?え!?な、なんじゃこりゃあ!!」

シャーリプトラの姿の天女:「ほらほら、どうしたの!?だらしないわね!!(笑)
もしも今のあなたが「女」をやめることができるなら、全ての女性もまた「女」をやめることができるはずよ!
今のあなたならわかるでしょう?
全ての女性は今のあなたと同じなの。
「女」の姿をしているけれども、本性は「女」なんかじゃないのよ。
ブッダも言っているでしょう?
「「男」なんていない、「女」もいない」って。」

言い終わると、天女はシャーリプトラの姿を元に戻してあげました。

天女:「はい、ここで質問です。「女」はどこへいきましたか?」

シャーリプトラ:「い、いや・・・
どこへいったとかいかないとかじゃなくって、そんなもの初めからなかったんですけど・・・」

天女は言いました。

「でしょー? 全ての事柄はそんなものなのよ。
「ある」のでもなく、「ない」のでもないわけ!!」

メニューの使い方

以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
画面左上の「超訳文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 超訳文庫トップページへ戻る
メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る


↓それでは、どうぞごゆっくり。

仏教系

中国の古代思想

昔の中国の人が考えたこと

諸子百家

LinkIconおもしろ論語(孔子)
LinkIcon老子
LinkIcon荘子
LinkIcon列子
LinkIcon孟子

四書五経

LinkIcon【大学】

日本の哲学・思想

日本が誇る大学者のご意見たち。
今のところ、明治維新期に活躍した人がメインです。
LinkIcon井上円了
LinkIcon【西国立志編】
LinkIcon富永仲基
LinkIcon内藤湖南
LinkIcon【風姿花伝】sintyaku3_red.gif

キリスト教系

キリストが生まれるよりも昔から、「神」と人との間にはいろいろあったのです・・・

旧約聖書

LinkIcon【旧約の預言者たち】

中国武術論

中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
LinkIcon【中国武術論】

ぶんのすけ文集

古典翻訳ではない、自作の文章を掲載します。「超訳文庫」の趣旨から外れますが、ご容赦くださいませ。
LinkIconぶんのすけ文集

書籍版のお求めはこちら

LinkIconぶんちん堂 Web Shop

超訳文庫のコンテンツを書籍化して頒布する企画です。
PC画面もいいけれど、じっくり読むにはやっぱり「本」がよいという方にオススメです。
目に優しく手ざわりのよい書籍用紙を使用。A5サイズです。
編集はもとより印刷・製本に至るまで完全に自家製ですので、仕上がりは工業製品には劣りますが、「手作りの味」だと思っていただければ幸いです。

ぶんちん堂 Web Shop 公式ブログ

LinkIconぶんちん堂 Web Shop 公式ブログ

超訳文庫の書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト管理者のぶんのすけも「作家」として登場します。