東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

updated 2021-12-07

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超訳【維摩経】

第28話 天女、「女」について語る

2007.3.4

シャーリプトラは言いました。
「・・・いやはや、まったくたいしたもんです。
というかさ、それだけの能力があるんだったら、女なんてやめて男になればいいのに。できますよね? そのぐらい、楽勝で。」
天女はあきれ顔で言いました。
「あらあら、何を言うのかと思ったら!
実は私は12年間かけて「女」とは何かということを追求してきたのですが、結論から言うと、よくわからなかった、というか、どうやらそんなものは実在しないのよ。
「女」が存在しない以上、「女」をやめるとかやめないとかいう議論は全く意味がないのじゃないかしら?
あなたは例えば、幻術師が作り出した幻の女のところへ行って、「なんで男にならないの?」とか言うのかしら?」
シャーリプトラ:「いやいや、ちょっと待ってください。
それは違うでしょう? 幻は幻です。
いまさら変化のしようもないじゃないですか。」
天女:「でしょー? 幻は幻なのよ。
全ての事柄も、また同じことなの。
「理由」なんてありゃしないわ!!」
次の瞬間、シャーリプトラと天女の姿が入れ替わりました。
天女の姿のシャーリプトラ:「ぐ、ぐおっ!?」
シャーリプトラの姿の天女:「はーい、そこのあなた。
女なんてやめて、男になっちまいなよ!」
天女の姿のシャーリプトラ:「え!?え!?な、なんじゃこりゃあ!!」
シャーリプトラの姿の天女:「ほらほら、どうしたの!?だらしないわね!!(笑)
もしも今のあなたが「女」をやめることができるなら、全ての女性もまた「女」をやめることができるはずよ!
今のあなたならわかるでしょう?
全ての女性は今のあなたと同じなの。
「女」の姿をしているけれども、本性は「女」なんかじゃないのよ。
ブッダも言っているでしょう?
「「男」なんていない、「女」もいない」って。」
言い終わると、天女はシャーリプトラの姿を元に戻してあげました。
天女:「はい、ここで質問です。「女」はどこへいきましたか?」
シャーリプトラ:「い、いや・・・
どこへいったとかいかないとかじゃなくって、そんなもの初めからなかったんですけど・・・」
天女は言いました。
「でしょー? 全ての事柄はそんなものなのよ。
「ある」のでもなく、「ない」のでもないわけ!!」

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