別訳【龍樹(ナーガルジュナ)】
時は西暦200年。
あれほど協力し合って守っていこうと皆で誓った仏教は、当のブッダが予想したとおり、その死後500年かそこらで絶滅の危機に瀕していました。
大カリスマが去った後、その思想は一気に拡散の一途をたどり、同じ「仏教徒」を名乗りながらも互いに独自の教説を振りかざして罵りあうというありさまを見た一般大衆たちは、もう「仏教」というものを見放そうとしていたのです。
そのような混沌の中、一人の天才が彗星のように現れ、無敵の弁論術を駆使して論敵を片っ端から打倒し、遂に一切の戯論(けろん=議論のための議論)を消滅させたのだそうです。
その者こそが、仏教中興の祖「龍樹(ナーガルジュナ)」。
それから2000年近く後の現代においても仏教「八宗の祖」と呼ばれ、宗派を超えて尊敬を集めています。
彼のメインの著作は「中論」ですが、難解で知られるその理論を、恐れ多くも超訳にてご紹介して参りたいと思います。
もとより一知半解の及ぶところではないことを覚悟し、それでも方便門に立つ所存。
終了するまで数年の時が必要かと思いますが、時々訪れてみてくださいませ。
2009.8.8
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