別訳【真言諸経】
ここでは弘法大師空海が日本に持ち込んだ真言宗で用いられる様々な経典を超訳にてご紹介します。
「真言」とはつまり「仏様の真理を言語化したもの」というわけで、サンスクリット語そのままを呪文のように唱えたりするものが多いのですが、空海本人による解説や彼に続く先師たちの残した言葉など、なるべくわかりやすいものを選んでみました。
一般的な「お経」のイメージからかけ離れたものばかりですが、「お寺の本堂などに置かれている折りたたまれた経本にはこのようなことが書かれているんだなぁ」と思って楽しんでいただければ幸いです。
※このコーナーの文章は、Webマガジン「ホテル暴風雨」において2016年10月29日から2017年3月4日にかけて掲載されたものです。
2022-6-9
別訳【真言諸経】 目次
※以下は「ホテル暴風雨」掲載記事へのリンクとなります。
【般若心経の秘密】(出典:般若心経秘鍵)
空海がその死の前年に発表した論文。
当時すでに広く普及していた「般若心経」に独自の立場から解説を加えている。
※閲覧の便宜を図るため、それぞれの記事中で特徴的な一文を目次とします。
- 文殊、般若の両菩薩よ、オレに力を貸せ!!
- この病んだ状態から脱するためには、名医の処方する薬が必要だ。
- 「大般若経」を要約したものだから「心経」と名付けられた」という理解は正確ではない。
- 「この道を行って本当に大丈夫なのか?」という不安をスッキリと打ち消す。
- たった一文字、一瞬で全てを説明し尽くせるのだ。
- タイトルだけで既に「人」「法」「喩」の三種のコンテンツを表している。
- 「観自在菩薩」~「度一切苦厄」:<人と法を総合的に説くパート>
- 「色不異空」~「無所得故」:<諸々の教えを分類して説くパート>
- 相(悟りの証明):「是故空中無色」~「無意識界」
- 二(悟りで得られる結果):「無無明」~「無苦集滅道」
- 一(悟りは究極のところひとつ):「無智亦無得 以無所得故」
- 行(修行の行為):「菩提薩埵」~「得阿耨多羅三藐三菩提」
- 総持(教えの帰するところ):「故知般若波羅蜜多」~「真実不虚」
- 真言(神秘の言葉):「故説般若波羅蜜多咒」~「菩提薩婆訶」
- 予想される質問に関してはここで答えてしまおう。
- <あとがき>
- 総集編:16回にわたる「般若心経の秘密」から弘法大師空海の訳(解釈)を青字で抜粋し、黒字で記した「般若心経」本文(漢訳原文)と対照させたものを「総集編」として記します。
【大反省文】(出典:密厳院発露懺悔文)
空海による真言宗総本山・高野山の創建から300年後の平安時代後期、その風紀の乱れぶりを憂いた僧侶のひとり覚鑁(かくばん、後の興教大師)和尚が書いた「反省」文。
前編 後編