東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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ぶんのすけ文集

【夢魔の書】聖地巡礼

2006.7.7

朝、NHKをつけたら、「聖地巡礼」というシリーズ番組をやっていた。

天を突くような高い金色の塔を、カメラが上部から下部へ、なめるようにゆっくりと撮り下ろしてゆく。

女性キャスターと解説者らしき男性の2人が何やら話している。

女性キャスター曰く、
「ここは、仏教の聖地、ラサです。標高○千mのこの地では、真夏の今でも、日中の気温が20℃を下回ることも珍しくありません。」

見ると、黄色の袈裟を着た、若い修行僧たちが朝の勤行をするために塔へ向かうのが見える。

彼らは皆、一様に痩せており、とても空腹そうに見えた。
あの身体では、この肌寒さはこたえるだろう・・・

天を仰ぎ見ると、灰色に曇った空から、何やら白く小さなものがチラホラと降っている。

雪!?・・・まさか!?

改めて塔を見ると、外側をめぐる回廊に、金色の仏像(座像)が見渡す限り、ズラーっと並べられている。

どういう仕組みかはわからなかったが、それらは少しずつ前に進んでいるようであった。

その金色の仏像の行列が、全員、らせん状に塔を登り終わってから、一般の観光客を入場させるシステムらしい。

見ると、仏像行列の最後尾には、既に観光客が並び始めている。

TVカメラもその後について入ってゆく。

ズラーっと並んでいる無数の仏像たちの行列。

しかし、よくよく見てみると、それらは皆、人間の修行僧であった。

黄衣をまとい、頭にコブのようなものがたくさんあるので、遠目には仏像に見えたようだ。

それであるなら、少しずつ塔を登っている理由も説明がつく。

仏像(座像)は、動かないもんな。

頭のコブについて、一般客(小さな子連れの若い女性)が質問している。

見ると、僧の一人が嫌な顔ひとつせず、質問に答えてあげている。

柔和な、良い顔立ちの僧だ。

「我々修行僧は、皆、この一寸四方の布を、胸の部分にあてがうのです。それは・・・云々」などと解説しているのが聞こえてくる。

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