好雪ひらひら
【夢魔の書】原稿とキャバクラ
2006.5.6
某フランス文学者の◎島茂先生が来社。
しばらく談笑したのちにお帰りになったのだが、ふと見ると、渡す予定だった肝心のゲラ刷り原稿が置きっ放しになっているではないか。
おりしも正午を迎えたところで、昼食に向かう人々の群れをかき分けながら階段を駆け下り、会社の前に飛び出してみたが既に見当たらない。
晴天の下、橋を渡り、商店街を突っ切って駅まで行ってみたが、やはり見当たらない。
先生のご自宅がある方面行きの電車に乗り、途中大きなターミナルで途中下車する。
心当たりがあるからだ。
駅前繁華街を抜け、定食屋やラーメン屋をのぞいてまわるが、いない。
100mぐらいいっただろうか、繁華街のはずれの怪しげな店が立ち並ぶエリアまで来た時、先生発見。
数軒あるキャバクラの前を行ったりきたりしている。
迷っているのだろうか?
何かのフェイントなのだろうか?
いずれにしても怪しさ満点である。
真昼間なのに・・・
「先生!」
と声を掛けると、こちらに気づき、曖昧な笑みを浮かべて片手を挙げた。
ゲラ刷りを渡すと、「ご苦労さん」とねぎらいの言葉を下さった。
「メシでも食うか。」
と、歩き出しながら、行きつけのキャバクラのシステムを解説しだす先生。
いや、本当にお好きなんだなぁ・・・としみじみ。
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中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
【中国武術論】
作家による古典翻訳以外の文章です。
夢日記、怪奇体験、食べ歩き、随筆等、バラエティに富んだ独自のワールドをお楽しみくださいませ。
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霞が関官庁街の食堂めぐり記録です。
2002~2003年の取材内容を元に書かれています。