別訳【般若心経】
数ある仏教典(お経)の中でもダントツの知名度を誇る、超メジャータイトル「般若心経」。
なにやら「ありがたげ」なことが書いてあるということで、法事のときに唱えることはもちろん、字の練習や和風デザインなどにも取り入れられて、その知名度は増すばかり。
巷にはそれこそ実に多種多様な「般若心経グッズ」がでまわっており、風呂敷から手ぬぐい、線香に湯呑み、絵画からCD・DVD、挙句の果てには任天堂DSのゲームにまでなったりしています。
解説書のたぐいも、それこそ汗牛充棟。
今さら私のような浅学の徒の出る幕はないとは思いつつ、敢えて現代風の訳を試みました。
「このお経は「空」の理論を説いている」、とものの本には書いてあるようなのですが、もしそうであれば、「空」という言葉は使わないで訳すべき、と考えたのも大きな動機となっています。
この訳が「正しいか?」と問われれば、「正しくない」と答えざるを得ませんが、「間違っているか?」というと、必ずしも「間違っていない」のではないか、などとも思ったり。
末尾に漢訳原文を記しますので、是非、ご対照いただければと思います。
2009.1.21
超訳初出から4年、110年前に西域で消息を絶った学僧、能美寛さんが残した研究ノートを基に、別バージョンの超訳を試みました。一般的なテクストには描かれない舞台設定等を含み、かなり趣の異なったものになりましたので、是非、あわせてご覧くださいませ。
2011.2.6
用語解説:般若心経(はんにゃしんぎょう)