別訳【金剛経】
第4話 見返りを期待するな! (妙行無住分)
2008.10.19
ブッダは続けます。
「それからだな、我々は何をするにあたっても、決してそのことに対しての「見返り」を期待してはいけないということがある。
一般人は、頼まれた・頼まれないに関わらず、人になにかをしてあげる時、どうしても雑念が入ってしまいがちだ。
これをすれば「美しい音楽を聴かせてもらえる」とか、「いい香りをかがせてもらえる」とか、「美味しいものを食べさせてもらえる」とか、「気持ちいいものに触らせてもらえる」とか、「何しろいい気分にさせてもらえる」などの雑念が。
まぁ、そんなことを考えてしまうのが、一般人の一般人たる所以なのだが、少なくとも「立派な人」になることを目指す我々は、「これをしたら見返りが得られる」などという気持ちは、これっぽっちも持ってはならないのだ。
「何かをしてやったら、せめて感謝されたい」というのが人情なのだが、その気持ちを捨てない限り、君らの心に「平安」が訪れることはない。
逆にそんな気持ちを持たないようにさえすれば、心に「平安」が訪れるばかりではなく、君らの日々の活動の効果は、とても測り知れないレベルにまで極大化するのだ!
・・・どうしたスブーティ、納得できないのか?
しょうがないなぁ・・・
例えばここの東の方の空間の容積は、計測可能だと思うか?」
スブーティ:「いやいや先生、全然ムリですよ!」
ブッダ:「それでは南、西、北、上、下などの全方位の空間容積では、どうかな?」
スブーティ:「・・・なんで増えてるんですか。ムリに決まってるでしょう!」
ブッダ:「そうだな。(笑)
ともかく、「見返りを期待しない」で献身的に活動することの効果の大きさは、それほどまでに大きいということだ。
逆に、「そんな気持ちをちょこっとでも持った途端、折角の活動は台無しになってしまう」と肝に銘じなさい。」