別訳【旧約の預言者たち】
3.エレミア
2004.10.16 「エレミア書」 読書ノート
挿絵は「エレミア」byミケランジェロ。
さて、前出のエゼキエルさんと同様、「預言者」たるエレミアさんの登場です。
この人の特色は、なんせ「気が弱い」ところですね。
エゼキエルさんほど「ヤハウェ」さんを大妄想(失礼・・・)できず、理想と現実との間で悩みます。
ストーリー自体は、言うのも申し訳ありませんが、どの話も似たようなもんなんですが(何たる不敬・・・)、
エレミアさん、冒頭いきなりヤハウェさんに声をかけられます。
ヤハウェ:「ああ、ちょっと、そこの君、そうそう君君。
君は生まれる前から、「私の預言者」ということに決まってるんで、以後よろしくね!」
エレミア:「え!?きいてないんですけど・・・
それに一体何を語ったらいいのかさっぱり・・・」
ヤハウェ:「大丈夫やって!
わしが君の口を通じてしゃべったるさかい。な?簡単やろ?」
で、是非も無く、ヤハウェさんの意(言)のままに操られるエレミアさん。
あっちへいっては、
「ヤハウェさんが、「私の言うことをきかないものは滅びる」と言ってま~す!」
こっちへいっては、
「ヤハウェさんが、「○○○の先っぽの皮を切り落とさないと、皆殺しだって言ってま~す!」
ところが、エレミアさんの場合、気の毒なことに、なかなか預言された災厄が訪れません。
皆に指差して笑われた挙句、妄言を吐くものとして捕まってみたりして。
さすがにエレミアさんも「恨み節」を吐き始めます。
「ヤハウェさん、あなたに言われたことを言えば言うほど、私は人々の笑いものとなっています。
もうどれだけたくさんの恥をかいたことか!・・・
でも、口が勝手にしゃべってしまうのを止めることができないんですよ!
万軍のヤハウェさん、お願いです。
あなたが彼らに仇を返すのをわたしに見させてください!!」
で、随分と紆余曲折があって、ようやく、ちっともエレミアさんの言うことを聞こうとしなかった、ユダ(イスラエルの南にあった)の国は滅び、バビロニア捕囚の時代が始まります。
で、よかったね、エレミアさん。・・・と思ったら、どうも45章辺りから名前が出てこない。
色々原典にあたってみたりしたのだけれども、消息不明。
ネットで調べても見たのですが、どうやら、43章のあたり(最後目)で、エジプトに連れて行かれて、石で打ち殺されてしまったようです・・・(残りの預言は巻物にして後進に託したらしいですが・・・)
「万軍のヤハウェ」さん、あなたの預言者でしょ!?何とかしてあげられなかったのですか?
これでは何とも後味が悪すぎです・・・