東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
※超訳文庫は好雪文庫に名称変更しました。【タイトル変更のお知らせ】

updated 2023-01-25

  • HOME
  • >
  • 3.エレミア

別訳【旧約の預言者たち】

3.エレミア

2004.10.16 「エレミア書」 読書ノート

 

挿絵は「エレミア」byミケランジェロ。
 
さて、前出のエゼキエルさんと同様、「預言者」たるエレミアさんの登場です。
 
この人の特色は、なんせ「気が弱い」ところですね。
 
エゼキエルさんほど「ヤハウェ」さんを大妄想(失礼・・・)できず、理想と現実との間で悩みます。
 
ストーリー自体は、言うのも申し訳ありませんが、どの話も似たようなもんなんですが(何たる不敬・・・)、
エレミアさん、冒頭いきなりヤハウェさんに声をかけられます。
 
ヤハウェ:「ああ、ちょっと、そこの君、そうそう君君。
君は生まれる前から、「私の預言者」ということに決まってるんで、以後よろしくね!」
 
エレミア:「え!?きいてないんですけど・・・
それに一体何を語ったらいいのかさっぱり・・・」
 
ヤハウェ:「大丈夫やって!
わしが君の口を通じてしゃべったるさかい。な?簡単やろ?」
 
で、是非も無く、ヤハウェさんの意(言)のままに操られるエレミアさん。
 
あっちへいっては、
「ヤハウェさんが、「私の言うことをきかないものは滅びる」と言ってま~す!」
こっちへいっては、
「ヤハウェさんが、「○○○の先っぽの皮を切り落とさないと、皆殺しだって言ってま~す!」
 
ところが、エレミアさんの場合、気の毒なことに、なかなか預言された災厄が訪れません。
皆に指差して笑われた挙句、妄言を吐くものとして捕まってみたりして。
 
さすがにエレミアさんも「恨み節」を吐き始めます。
 
「ヤハウェさん、あなたに言われたことを言えば言うほど、私は人々の笑いものとなっています。
もうどれだけたくさんの恥をかいたことか!・・・
でも、口が勝手にしゃべってしまうのを止めることができないんですよ!
万軍のヤハウェさん、お願いです。
あなたが彼らに仇を返すのをわたしに見させてください!!」
 
で、随分と紆余曲折があって、ようやく、ちっともエレミアさんの言うことを聞こうとしなかった、ユダ(イスラエルの南にあった)の国は滅び、バビロニア捕囚の時代が始まります。
 
で、よかったね、エレミアさん。・・・と思ったら、どうも45章辺りから名前が出てこない。
色々原典にあたってみたりしたのだけれども、消息不明。
 
ネットで調べても見たのですが、どうやら、43章のあたり(最後目)で、エジプトに連れて行かれて、石で打ち殺されてしまったようです・・・(残りの預言は巻物にして後進に託したらしいですが・・・)
 
「万軍のヤハウェ」さん、あなたの預言者でしょ!?何とかしてあげられなかったのですか?
 
これでは何とも後味が悪すぎです・・・
  • 以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
  • 画面左上の「好雪文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 好雪文庫トップページへ戻る
  • メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る
それでは、どうぞごゆっくり
↓   ↓   ↓

昔の中国の人が考えたこと

諸子百家

LinkIcon おもしろ論語(孔子)
LinkIcon 老子
LinkIcon 荘子
LinkIcon 列子
LinkIcon 孟子

四書五経

LinkIcon 【大学】

日本が誇る大学者のご意見たち。
今のところ、明治維新期に活躍した人がメインです。

LinkIcon 井上円了
LinkIcon 【西国立志編】
LinkIcon 富永仲基
LinkIcon 内藤湖南
LinkIcon 【風姿花伝】

キリストが生まれるよりも昔から、「神」と人との間にはいろいろあったのです・・・

旧約聖書

LinkIcon 【旧約の預言者たち】

中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。

LinkIcon 【中国武術論】

作家による古典翻訳以外の文章です。
夢日記、怪奇体験、食べ歩き、随筆等、バラエティに富んだ独自のワールドをお楽しみくださいませ。

LinkIcon 好雪ひらひら

LinkIcon ぶんちん堂 Web Shop


ぶんちん堂のコンテンツをWeb販売しております。
現時点では好雪文庫を書籍(紙・電子)化したものがメインとなります。
※電子書籍はkindle版です。

LinkIcon ぶんちん堂 公式ブログ


ぶんちん堂コンテンツの書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト主人も「作家」として登場します。