東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

updated 2022-06-12

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超訳【旧約の預言者たち】

5.ヨブ

2004.10.19 「ヨブ記」 読書ノート


主人公たるヨブさんは、ノア、ダニエルさんらと並び称される「義人」だったらしく、絶対神ヤハウェさんをひたすら敬い、疑うところがなかったという人です。

ただ、やはり「義人」ともなると、その証が必要となってくるのかして、冒頭、いきなり悪魔による試練の大災厄がヨブさんを襲います。(家族全滅。家屋全焼など)
しかも、ヤハウェさん了承の上・・・了承すんなよ!

ヨブさんはこの上、さらに(これまたヤハウェさん了承の上・・・)全身を皮膚病にされてしまいます。

でも、彼は我が身の境遇をこそ呪えど、決してヤハウェさんを呪うことはありませんでした。なんて敬虔なんでしょう!

で、友達が3人やってきます。これまでヨブが神に敬虔たるがゆえに富んだ暮らしをしていたと思っていたのに、とんでもないことになったのを知ったからです。

で、彼らは言います。

「お前、なんか悪いことしたんちゃうん?」

ヨブさんはもちろん反論します。で、そりゃ友達も言いますよね。

「じゃ、なんでこんなことになったのさ?」

ヨブさんは初めて(?)考えます。

「君らの言っていることには賛同しかねる。
そりゃ確かに、私は完全なものではない。
・・・でも、ここまでやられるのは確かにちょっと納得いかん!」

と、初めて「俺は潔白だ!」とヤハウェさんに主張します。

で、ヤハウェさん、初めてヨブさんの前に降臨し(嵐の中からですが・・・)、彼をなだめます。

「まぁまぁ、そう言うなって。
お前さん、天地を支配できるかい?
稲妻を放ったりできるかい?
天下の全てのものは私のものなのだよ。」
(いや、ちっともヨブさんに、これといった非もないのに、あれだけのことをした説明になってないのですけど・・・)

ヨブさん:「わかりました。
今まで聞いたことしかなかったあなたを眼で見ることができました(本当か!?)。
かくなる上は、私は塵灰の中で悔い改めることとします。」
(君もどこまで素直なんだ・・・)

で、どうなったか。
ヤハウェさんもさすがに申し訳なく思ったのでしょうか。ヨブさんの運命を転換し、全ての持ち物を2倍にして返しました。羊1万4千頭を筆頭に、家畜山盛り。7人の男の子と3人の女の子(しかも素晴らしく美人)。140歳までの長寿。

とりあえず、ハッピーエンドでよかったです。

結局、この話は、人間は、
「神の故に神を信じる」のか、「自己の利益のために神を信じる」のか、どっちやねん!という神学論争?がテーマだったわけですね。

その意味から言えば、結局ヨブさんの真の裁きは死後にしか訪れることはなく、「富が倍になって戻ってきたぜ、ラッキー!」というレベルでは解決されていないことになります。

その場で打ち滅ぼされても良かったのでしょうが(まがりなりにも絶対神に挑んだわけですから)、それではあんまりだということで、こういうエンディングが用意されたものではないかと。

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