別訳【無門関】
無門禅師による注意書き 原題「禅箴(ぜんしん)」
ひたすらに「法律に従いルールを守る」ようにすると、堅苦しくてつまらないヤツになってしまうが、「やりたい放題」したのでは、ただの外道ヤロウになってしまう。
「こころ静かに座っている」ばかりではヒキコモリとかわらないし、傍若無人に暴れまわったなら、それは通り魔とかわらない。
「常に正しい答えをだそう」などと頑張ってみても、結局は自分の首を絞めるだけ。
「善い」とか「悪い」とかを考えるから天国やら地獄やらといったものが生じてしまい、話がややこしくなる。
「仏」とか「法」とかを有難がるというのも、わざわざ高い壁を自分のまわりにぐるりと二重に取り巻かせるようなもんだ。
少しでも前に進もうとすればたちまち法や理念にそむいてしまい、後ろに退こうとすればあっという間に宗旨にそむいてしまう。
かといって、進みもせず退きもしないというようなヤツは、息だけしている死人というほかない。
さて、それではいったい、どうしたらよいのか?
なんとか今の人生でケリをつけてしまうように努力しろよ。
さもないと、あとあとかなり面倒くさいことになるぞ。