別訳【無門関】
第47話 ファイナルアンサー 原題「兜率三関(とそつのさんかん)」
兜率和尚は3つの質問で相手を試したといいます。
(問1)あちらこちらとよい師匠を求めさすらうのは、つまるところ「自分探し」の旅路に他ならない。
さぁ、「本当の自分」は見つかったか?
見せてみろ、今すぐだ!
(問2)「自分探し」の答えがでたというのなら、生死なんてものの数ではなくなった筈だ。
さぁ、死んでみろ。
オマエならどう死ぬ?
(問3)生死を超克できたなら、当然、死後の世界も理解できたはずだよな。
さぁ、今まさにお前の肉体が滅びたとしよう。
さて、その後お前は何処へいくつもりだい?
行け! 今すぐに!
もし三問とも即答できるというのであれば、お前は最早無敵である。
どこで何をしようが、その全てが仏法にかなうこと間違いなしだ。
チンプンカンプンだというのなら、ひとつアドバイスをしてあげよう。
ガツガツ食えばたくさん食べてもすぐ腹が減ってしまうが、よく噛んで食えば、少しの量でも長く腹持ちするってことだ。
一瞬で無限の時の流れを知ることができるようなヤツなら、「無限の時間」というのは、まさに今この瞬間のことだということがわかるだろう。