別訳【維摩経】
第27話 天女、維摩の部屋の素晴らしさを説く
2007.3.4
天女はさらに言いました。
「この維摩のオジサマの部屋はとってもスゴイのよ。
例えば今、この部屋は明るいでしょう?
これって昼だから明るいのじゃないのよ。
夜になってもこの明るさなの。
しかも、とくに何か明かりを使っているわけじゃないの。
部屋全体がまばゆいばかりに発光しているっていうわけ。
この部屋のスゴさはそれだけじゃないわ。
お兄さんたちにわかるかどうかしらないけど、この部屋は全体が究極のオーディオシステムになっていて、ありとあらゆる音階を忠実に再現することができるのよ!
それだけじゃないわ。
この部屋には実はたくさんの宝物がしまわれていて、そこから困っている人たちに惜しげもなく与えられるわけなのだけど、どれだけ与えたからといっても、ちっともなんにも減らないのよ。
わかる?
まぁ、ちょっとムリかもね。(笑)
でもね、ここは本当にそういうところなのよ。
そんな部屋に住みついている私が、いったいどうして「人の言ったことを忠実に守るだけ」なんていうしょーもないレベルで
満足できると思うのかしら?」