東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。

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超訳【荘子】

21-3 ジェットでGO!

2008.4.17

外篇田子方21-3(抄) 

孔子門下のエースだった顔回くんが、先生の前でしみじみと言いました。

顔回:「いやはや、まったく・・・  なんと言ったらいいのでしょうね?
先生が歩き出したなら、私も一緒に歩きます。
先生が小走りするならば、私もあわせて小走りします。
先生が全力疾走しだしたならば、私も必死に全力疾走するのです。
おいていかれないために・・・

しかし、しかしですね・・・  あのジェット噴射は反則ですよ!

先生がジェットを大噴射して一瞬にして大気圏外へ飛び去った後は、私はただもう、目をまんまるくして立ち尽くすしかないのです。

いつもそうなのです。
あれはちょっとカンベンしてください!!」

孔子:「おいおい顔回、そりゃいったい、なんの話しじゃ。
妙ないいがかりをつけるでない!
ワシがいつジェット噴射したって?(笑)」

顔回:「・・・先生!これは「たとえ話」ですよ。

歩く云々の話は、「先生が話をしたなら、私もあわせて話をする」ということです。
小走り云々の話は、「先生が議論を始めたら、私もその議論に乗っかる」ということです。
全力疾走云々の話は、先生が「道(=真実)」について語りだした時のことを言っているのです。
そんなことならば、私だってどうにかついていくことができます。

しかしですね、先生が黙っていても皆に信頼されたり、何の派閥にも属していないのにあらゆる方面にパイプがあったり、何の権力も持っていないのに大勢の民衆が慕って集まってきたりする。

アレはキツイです・・・
アレはいったい、どういうわけなのでしょうか?

私はもう、しょっちゅうそんな場面を目撃しているのですが、どうにもこうにも説明不可能、というか理解不能なのです。

あれはもはや「超能力」とでも呼ぶべきものです。
だから「ジェット噴射」と言ったのです。

先生、例のネコ型ロボットだって、頭の上に竹トンボをくっつけて空を飛ぶ装置を出す程度です。

・・・「ジェット」はないでしょう、「ジェット」は!
そんなのを使われては、我ら「人間」は置いてけぼりをくうばかりじゃないですか!!

先生、お願いですから、移動には「足」を使ってください!!」

原文

顔淵問於仲尼曰、「夫子歩亦歩、夫子趨亦趨、夫子馳亦馳。夫子奔逸絶塵、而回瞠若乎後矣。」
夫子曰、「回、何謂邪?」
曰、「夫子歩、亦歩也。夫子言、亦言也。夫子趨、亦趨也。夫子弁、亦弁也。夫子馳、亦馳也。夫子言道、回亦言道也。及奔逸絶塵而回瞠若乎後者、夫子不言而信、不比而周、無器而民滔乎前、而不知所以然而已矣。」

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