東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
※超訳文庫は好雪文庫に名称変更しました。【タイトル変更のお知らせ】

updated 2024-01-21

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好雪ひらひら

【夢魔の書】ねえ、遊ぼうよ

2004.3.22

大きなショッピングセンターにやってきた。何かのショールームの様でもある。
連れはいたのだが一人で見ていると、奥に何もないスペースがある。
イベント用スペースなのだろうか?コンクリート打ち放しの殺風景なスペースである。
 
ふっとさびしい気持ちになり、にぎやかなゾーンに戻る。
 
相変わらずモノ(ゲーム機?)が多く、全体に薄暗いものの、まぁ楽しい雰囲気だ。
 
ただ、どうしてもさっきのスペースが気になり、もう一度殺風景ゾーンに戻る。
ヒンヤリとした打ち放しのコンクリ壁、何かの台などを見ているうちに、
みるみる恐ろしいことを想い出した。
 
私は、ここに来たことがある(昔から知っている)。
子どもの頃、友達の女の子と二人だけで遊びに来たことがあったのだ。
そして、原因は忘れたが、彼女は何かから転落して、頭から血を流して倒れてしまったのだ。
 
まだ幼かった私は恐ろしくなり、血まみれで横たわる彼女を置き去りにして逃げ帰って
しまったのだ。
 
その後、その女の子はいなくなってしまったが、何故か特に騒ぎにもならずに
うやむやに終わり、私もすっかりそのことを忘れてしまっていたのだ。
 
それがこの場所だ!
恐怖のあまり全身の毛穴が粟立つ。
 
どこからか、「ねぇ、遊ぼうよ・・・」と女の子の声がする。
私は恐怖に硬直する身体を必死に動かし、ぎごちない動きでその場から
逃亡する。
 
皆(誰?家族?)のいるにぎやかな場所に戻っても、女の子の声が
耳から離れず、冷や汗が止まらない。
 
「大丈夫?真っ青だけど。」と言われ、ちょっと気分が悪いからと言い訳をして、
先に車に戻ることにする。
 
駐車場に戻り、車に一人で入ると全ての鍵をかけた。
恐怖はまだ消えない。
 
どすん!と停車中の車体に何かの当たる音と振動。
「来た!」直感的にそう思った。
 
「ねぇ、遊ぼうよ・・・」・・・やっぱり!!
シートに突っ伏して丸くなり、必死に恐怖と戦う。
女の子(?)の気配は消えることなく、車の周りをねちっこく這い回っている。
ボンネットやフロントガラス、屋根の上からも気配がする。
 
最早、逃げ場はない・・・

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