好雪ひらひら
【夢魔の書】握砕功夫
2006.6.20
ある兄弟は、幼少の時から厳しい訓練を積んだ甲斐あって、12、3歳の頃には、既に年季を感じさせるオーラに全身が包まれるまでになっていた。
兄は、硬いものはおろか、柔らかいものでも一瞬で粉にしてしまう程の握力をもち、弟は、どんなに小さなものでも、それを手でさらに細かく打ち砕いてみせたという。
彼らはあふれ出るオーラを体脂肪を増やすことで周囲から隠し、世に出る機会をうかがっていた。
その芸をもって、身を立てるためである。
彼らの生まれ故郷は香港であり、身近な目標としてブ○ース・リーがいた。
彼を倒せば兄弟の名はあがり、金儲けができるはずだ。
そう思った彼らは、リーに闘いを挑んだが、リーは頭突きで、2人の手を地面に叩きつけて粉砕してしまった。
兄弟は敗れ、地に打ち伏したが、同時にある悟りを得た。
「自らの手は、低いところにあってこそ、活かされるものなのだ」、と。
彼らは残された手で、こぶし程の大きさの自然石を握り砕くと、「○怒一砕 ○○○○」という誓いをたてたという。
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【中国武術論】
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2002~2003年の取材内容を元に書かれています。