ぶんのすけ文集
【天王山の怪】2.たたずむ人影
2005.8.6
ある日、これは日暮れ直後だったかな。
いつものように宝寺(宝積寺)を経由して天王山に登ろうとすると、ふと視界の隅に違和感を覚えた。
本堂の裏は謎の石仏やらがおいてあるエリアで、そこに小さな池があったりするのだが、日中でも立ち入る人は多くない。
そこの真ん中に、なにやら青白い人影が!・・・
気がつかなかったふりをしてそのまま山頂を目指す。
道中考える。
「いやいや、きっとお寺の人が掃除かなにかをしていたのに違いない」
「あるいは、近所の人が散歩してたのかも」
まぁ、かくいう私もこんな時間に出入りしてるわけだしな。
と、すっかり納得して下山する。
・・・まだいる。
真っ暗な寺の裏の池の畔、明かりも全くつけず、うつむき加減で微動だにせず。来たとき見たのと同じ姿勢で・・・
振り返らずに、普段より足早に麓を目指す。
その後、何回もその場所を通ったが、二度と見ることはなかった。
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