ぶんのすけ文集
【天王山の怪】5.見えない電車
2005.8.8
天王山から柳谷に行く途中、一瞬、山が途切れて田んぼがあったりする部分(即ち谷あい)がある。
ある晴れた日、そこを通りかかると、「ガタンガタン・・・」と電車の走る音が聞こえてきた。
そんなバカな!
最寄りの線路は山崎駅のある辺り。
即ち天王山を越えた反対側の麓のみ。
聞こえるはずがない。
現に今まで聞こえたことはなかった。
思わず立ち止まって音のする方に眼を向けた。
それは目の前の何の変哲もない山の茂みから聞こえてくる。
しかも、ご丁寧にもちょっとずつ移動している。
ああ、音の曲折でそう聞こえるのに違いない。
忍法とかでもそういうのがあったなぁ。
なんだっけ?「やまびこ」だったっけ?
それにしても本当にリアルに聞こえる。
目を閉じると目の前を電車が通っているようにしか聞こえない。
などと思っているうちに、ふっと聞こえなくなった。
あんまり怖いとは思わなかったが、山って不思議だなぁ、と思ったのだった。
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