東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。
意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
※超訳文庫は好雪文庫に名称変更しました。【タイトル変更のお知らせ】

updated 2023-01-25

  • HOME
  • >
  • まえがき

別訳【風姿花伝】

まえがき(世阿弥による序)

2011.6.5

 
申楽(さるがく)というのは、要するに神様に対して「長生き」をお願いするための儀式の一種なのですが、そもそもいつ頃から始まったのかというと、実はハッキリとはしていません。
 
古代インドから伝えられたとも、神々の時代から既にあったともいわれていますが、いずれにしても大昔のことなのは間違いないでしょう。
 
ですから、これが「元々はどんなものであったのか」というのは、正直なところ、もはや誰にもわからないのです。
 
まぁ、世間一般では、推古天皇の時代(西暦600年頃)、聖徳太子が私の祖先である秦河勝(はだのこうかつ)に対して「なんか楽しいことはないか?」と尋ねられたのがキッカケとなって一大演芸大会が催されたのが始まりだということになっています。
 
その後は四季折々のイベントとして定着し、奈良の春日大社や滋賀の日吉神社に勤務していた河勝の子孫たちがそれを受け継いで今に至るという次第。
 
そういった経緯もあって両神社ではこのイベントが頻繁に催されるため、奈良や滋賀には申楽のイベントスタッフがたくさん住んでいたりします。
 
申楽というのは「人を楽しませてナンボ」です。
 
ですから、古いやりかたにこだわるばかりではなく、新しい要素を常に取り入れるように心がけなければなりません。
 
とはいっても、ひたすらウケを狙うあまりに道を踏み外すようなことがあってはいけません。
 
「日常の言動が折り目正しく、その立ち居振る舞いも見ていて気持ちがいい」というのであって、ようやく「ちゃんと伝統を受け継いでいる達人」と呼ぶことができるのです。
 
もしも「そんな風になりたい」というのであれば、日々精進あるのみです。
 
専門外のことに手を出しているヒマなど、あるわけがありません。
 
ただし、この芸においては特に「文才」がモノをいいますので、作文・作詩の能力だけは別途力を入れて磨きをかけるようにしたいところです。
 
私、世阿弥こと秦元清が37年間の人生で知り得た芸のポイントを、この際メモにして残したいと思います。

  • 女遊びはほどほどにしろ
  • ギャンブルはするな
  • 酒を飲み過ぎるな

 
この三つは私の父である観阿弥こと秦清次からいつも厳しく戒められていたことです。

  • ひたすら稽古あるのみ! 思い上がったり揉めごとを起こしたりしているヒマなどあるもんか!!

 
・・・ともよく言われましたっけ。

  • 以下のメニューバーをクリック⇒ ジャンルごとに開閉
  • 画面左上の「好雪文庫」ロゴマークをクリック ⇒ 好雪文庫トップページへ戻る
  • メニュー上下の横長バーの「HOME」をクリック ⇒ 各コーナートップページに戻る
それでは、どうぞごゆっくり
↓   ↓   ↓

昔の中国の人が考えたこと

諸子百家

LinkIcon おもしろ論語(孔子)
LinkIcon 老子
LinkIcon 荘子
LinkIcon 列子
LinkIcon 孟子

四書五経

LinkIcon 【大学】

日本が誇る大学者のご意見たち。
今のところ、明治維新期に活躍した人がメインです。

LinkIcon 井上円了
LinkIcon 【西国立志編】
LinkIcon 富永仲基
LinkIcon 内藤湖南
LinkIcon 【風姿花伝】

キリストが生まれるよりも昔から、「神」と人との間にはいろいろあったのです・・・

旧約聖書

LinkIcon 【旧約の預言者たち】

中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。

LinkIcon 【中国武術論】

作家による古典翻訳以外の文章です。
夢日記、怪奇体験、食べ歩き、随筆等、バラエティに富んだ独自のワールドをお楽しみくださいませ。

LinkIcon 好雪ひらひら

LinkIcon ぶんちん堂 Web Shop


ぶんちん堂のコンテンツをWeb販売しております。
現時点では好雪文庫を書籍(紙・電子)化したものがメインとなります。
※電子書籍はkindle版です。

LinkIcon ぶんちん堂 公式ブログ


ぶんちん堂コンテンツの書籍化・通販などを手がける奇特集団、「ぶんちん堂」スタッフによる活動の記録やお知らせ。
当サイト主人も「作家」として登場します。