超訳【臨済録】それゆけ!義玄くん
Battle7:対 黄檗禅師(卒業試験)
2006.7.25
後の臨済禅師、若かりし頃の武勇伝をご紹介。「行録」より
いよいよ義玄くんも、黄檗師匠のもとから巣立つ日がやってきました。
義玄くんが別れを告げにやってきたのを見て、黄檗和尚が声をかけます。
黄檗:「これからどこに行くつもりかね?」
義玄:「さぁね。南じゃなかったら北だな!」
すかさず棒で殴りかかる黄檗和尚。
義玄くんはその攻撃をピタリと受け止め、黄檗和尚にビンタをくらわしました。
張り倒された黄檗和尚は、からからと声をあげて嬉しそうに笑うと、従者に命じました。
「おい、わしが百丈師匠から受け継いだ正統伝承者の証を持ってきなさい。」
それを聞いた義玄くん、すかさず言いました。
「ああ、それから火も持ってこい!!」
そんなもの、オレ様が焼き捨ててやるぜ!ということです。
黄檗和尚は、こう言って彼をなだめたということです。
「まぁまぁ、そう言わずに持っていけって・・・」
この話を受けた潙山と仰山の両禅師のひそひそ話は以下の通りです。
潙山:「これさ、義玄くんは黄檗和尚のことをバカにしてるんじゃないのかね?」
仰山:「いやいや、義玄くんは黄檗和尚に世話になったことをとても感謝しているんだと思いますよ。
で、師匠を超えていく気概を示すことで恩に報いようとしてるんですよ。」
潙山:「ああ、いいことを言うね。師匠と同じレベルに留まっているだけでは、むしろ師匠に失礼になるよね。
それを超越していけるようでなかったら、伝承者になった価値がないってもんだよ。」
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中国武術家である徐紀(Adam Hsu)老師の論文をご紹介。
【中国武術論】

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