別訳【祖堂集】
二代 シキ仏
2009.3.8
想像を絶するほどの遥かな昔、初代ビバシ仏が滅した後、長年月を経た頃に、シキ(尸棄、sikhin)という名の王子が現れました。
「シキ」とは、「頭のテッペンが盛り上がった」という意味です。
彼の一族は、ビバシ仏と同じ「コンダンニャ氏」でした。
「コンダンニャ」とは、「火」のことです。
父親は「アルンナ」という名で、母親は「パブハヴァティー」といい、彼の治める国は「アルンナの都」と呼ばれていました。
「アルンナ」とは「昇り来る朝日」、「パブハヴァティー」とは「まばゆい輝き」という意味です。
「アルンナの都」とはつまり「ひかりの国」という意味です。
シキ王子は、悟りを得て二代目の「ブッダ」となったのですが、それは次のようなものでした。
「うーむ、なるほど・・・
アレコレと努力して善いことを考えたりしたりしたところで、それはやはり操り人形の域を出るものではない。
それでは、ということで悪いことを考えたりしたりしてみても、やっぱり操り人形の域を出ることはできない。
あらゆる知覚の対象は、結局のところ操り人形が見せる幻だ。
そして知覚の主体だと思っていた我らの「身体」は「水しぶき」を集めたようなものに過ぎず、我らの「心」は吹き抜けていく「風」のようなもなのだ。」