別訳【祖堂集】
五代 コナガマナ仏
2010.2.1
想像を絶するほどの遥かな昔、四代クルソン仏が滅した後、長年月を経た頃に、コナガマナ(迦那伽牟、konagamana)という名の王子が現れました。
「コナガマナ」とは、「金色の聖人」という意味です。
彼の一族は、クルソン仏と同じ「カッサパ氏」でした。
「カッサパ」とは、「光を飲み込む」という意味です。
父親は「ヤジューニャダッタ」という名で、母親は「ウッタラ」といい、彼の治める国は「ソプハヴァティー城」と呼ばれていました。
「ヤジューニャダッタ」とは「天を祭って授かった人」、「ソプハヴァティー」とは「清浄」という意味です。
コナガマナ王子は、悟りを得て五代目の「ブッダ」となったのですが、それは次のようなものでした。
「なんということだ!
「ココロもカラダも実在しない」というのが真実であり、それを理解することこそが真の「仏」なのだとするならば、つまり、「仏」も実在しないということになる。
「「仏」の存在を確認することは不可能であり、その境地はついに得られないことを理解することこそが「仏」である」と言い換えてもいい。
本当に賢い人とは、次々と襲いかかる悩みや苦しみの発生源である「罪」の正体を見抜いた人のことだ。
「罪」などというものは、それ自体としての本質が欠けていて、中には何もない「空っぽ」であるということを知った人のことだ。
そういう人は、もはや死を恐れてジタバタすることなく、悠々自適に日々をおくることができるのだ。」