別訳【祖堂集】
六代 カッサパ仏
2010.3.22
想像を絶するほどの遥かな昔、五代コナガマナ仏が滅した後、長年月を経た頃に、カッサパ(迦葉、Kasyapa)という名の王子が現れました。
彼の一族は、クルソン仏と同じ「カッサパ氏」でした。
「カッサパ」とは、「光を飲み込む」という意味です。
父親は「アッギダッタ」という名で、母親は「ダーナヴァティー」といい、彼の治める国は「バーラーナシー」と呼ばれていました。
「アッギダッタ」も「ダーナヴァティー」も、「与え施すもの」という意味です。
カッサパ王子は、悟りを得て六代目の「ブッダ」となったのですが、それは次のようなものでした。
「なるほどなぁ・・・
この世に生きる全てのものには、もはや何も付け加えることなどできないし、その必要もないのだ。
つまり、それら全ての本質は清浄だということだ。
そしてそれが滅びることなど有り得ない。
あとから生じたものではないからだ。
この私自身ももちろん同じことだ。
ただ操られているだけの人形に、「罪」とか「幸福」とかがあるわけがないよな。」