別訳【祖堂集】
七代 シャカムニ仏
2010.3.22
今から2500年ほど昔、六代カッサパ仏が滅した後、長年月を経た頃に、シッダルタ(悉達多、Siddhartha)という名の王子が現れました。
彼の一族は、「シャーキャ(釈迦、Sakya)氏」でした。
「シャーキャ」とは、「万能」という意味です。
父親は「スッドーダナ」という名で、母親は「マーヤ」といい、彼の治める城は「カビラバストゥ」と呼ばれていました。
「スッドーダナ」は「寄付された飯」、「マーヤ」は「おふくろさん」という意味です。
シッダルタ王子は、悟りを得て七代目の「ブッダ」となり、シャカムニ(釈迦族の聖者)仏と呼ばれるようになったのですが、それは次のようなものでした。
「そうか、操り人形か!
この世に存在すると考えられているものは全て、様々な要因が積み重なった「結果」に過ぎない。
しかし、なぜそれらの要因がそのように積み重なったのかを手繰ってみても、その先には何もないのだ。
それが「自然」ということだ。
万物は、「ただあるがままにある」ということだ。
これまで存在しなかったものが、これから新たに生まれることはない。
いま存在しているものが、これから消滅することもない。
何ごとも、まるで恐れる必要はないのだ!」