別訳【荘子】
1-1 巨鳥、飛び立つ!
2006.7.13
内篇 逍遥遊1-1(抄)
世界の北の果てに、全長1200km以上もある巨大な魚が棲んでいた。
ある時、突然変異して巨大な鳥となった。
これまた全長1200km以上もある巨大な鳥で、大空いっぱいに翼を広げたその姿は、まるで厚く垂れ込めた雲のようである。
その鳥は、6月になると世界の南の果てを目指して飛び立つのだ。
飛翔するために海上を滑走すること約1200km。
それから一気に高度3万6000km以上まで上昇し、それからゆっくりと南の果てを目指すのである。
大空は青々としているが、それは本当の色なのだろうか。
それとも、果てしなく遠いが故に、そう見えるだけなのだろうか。
この巨大な鳥が、天空の彼方から下界を見下ろす時、きっとまた同じように青々として見えるに違いない。
原文
北冥有魚、其名爲鯤、鯤之大、不知其幾千里也、
化而爲鳥、其名爲鵬、鵬之背、不知其幾千里也、
怒而飛、其翼若垂天之雲、是鳥也、海運則將徙於南冥、南冥者天池也、
鵬之徙於南冥也、水撃三千里、搏扶搖而上者九萬里、去以六月息者也、
野馬也塵埃也、生物之以息相吹也、
天之蒼蒼其正色邪、
其遠而無所至極邪 、
其視下也、亦若是則已矣、