別訳【維摩経】
第49話 菩薩修行完成のための8つのポイント
2007.12.1
アチラ側の菩薩はさらに質問しました。
「こちら側の菩薩たちは、この世界でどれだけのことをやったなら、修行が完成できるのでしょうか?」
維摩は答えました。
「8つじゃ。
たった8つの事柄を達成すれば、この世界での菩薩修行は完成じゃ!
8つとは何か?
それは次のようなものじゃ。
- 人のために奉仕して、決して見返りを期待しない。
- 人が受けるハズの苦労を、片っ端から引き受ける。
- 受けた利益は、全部人にあげてしまう。
- 誰彼わけ隔てなく接してこだわりなく、謙虚である。
- 修行が完成していない人たちにも、完成した人に対するように接する。
- 異なる意見を聞いても頭ごなしに否定したり盲従したりせず、自分でしっかり考える。
- 人がウハウハになっているのを見てもねたまず、自分がウハウハになっても調子づかない。
- 常に心静かに反省し、人の悪口を言わない。
この8つじゃ!」
維摩の居室に集合した900万余の聴衆たちは、ここまでの維摩と文殊の話を聞いて、すっかり感心し、「自分たちもガンバロウ!」という決意を新たにしました。
また菩薩たちは、「何も足さない。何も引かない。」という悟りを得ました。